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現代文 輿水淳一先生の学習アドバイス

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現代文

輿水淳一先生

輿水淳一先生

「読む」とは「文章を眺めること」ではなく「文章の意味をつかむこと」であるという考えから生み出された「脱・字面読み」メソッドを伝授。読めると分かる、分かると解けるという真っ当なプロセスで生徒の成績を引き上げる。時に深く、時に楽しく展開される講義は生徒の心を鷲掴みにする。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

特色となり得る複数テクストの読解問題

共通テスト初年度の現代文は、従来のセンター試験とあまり変わらないものでしたが、今年行われた共通テストの現代文では、従来のセンター試験とは異なる傾向が明確に打ち出されました。

①第1問で「同じテーマに関する二つの文章」が提示され、その共通点と相違点を問う出題
②第1問の問1で新傾向の漢字問題
③第2問で本文の表現に関連した俳句が引用され、それに絡めた出題
④第2問の問1が従来の「語句の意味」ではなく、傍線部問題に

このような出題傾向は今後も継続する可能性があります。特に①、③のような複数テクストの関連を問う問題は、共通テストの特色として定着する可能性があります。しかしこうした変化にもかかわらず、現代文学習の基本は変わりません。語彙力をつける。熟語を覚えるときに漢字一字一字の意味から理解して覚える。一文一文の意味を理解しながら読む。文と文の関係(論理)を意識しながら読む。傍線部問題は消去法に頼らず、本文理解に基づいた「正解のイメージ」を作ってから選択肢に当たる。二つの選択肢で迷ったら本文の該当箇所に戻る。これらのことを地道に続けて、どのような形式の変化にも対応できる「どっしりした自分」になりましょう。

「能動的」な姿勢を定着させよう

現代文の力が伸びるのは、現代文の勉強をしている時だけではありません。テレビやネットの動画を観ている時、漫画を読んでいる時、SNSを眺めている時、家族や友達と話している時……、そのような時、私たちは、いろいろなことを知り、心を動かし、頭を使って考えています。これらのすべてが現代文の力、つまり理解力につながります。ただし、一つだけ注意しなければならないことがあります。それは「姿勢」です。受動的な姿勢か能動的な姿勢か。紙に書かれた文章は、動画や漫画と違って、目に飛び込んできません。こちらから「読もう」としなければ、内容が頭に入ってきません。なるべく普段から、能動的に理解する姿勢を持ちましょう。学校の授業も参考書も、能動的に取り組みましょう。惰性でスマホを眺めることはやめましょう。現代文だけでなく、さまざまな分野に良い結果をもたらす「能動的な姿勢」をなるべく早く定着させましょう。