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物理 三宅唯先生の学習アドバイス

SCIENCE

物理

三宅唯先生

三宅唯先生

「理論は知っているだけではだめ、それを行使できるかが重要」であるとし、原理・定義・法則の定性的把握と定量的行使を軸に、自然現象をグラフィカルに解析。それは公式を振り回すだけの物理を超え、因果関係を的確に捉える直感を君に与えてくれるだろう。公式の運用のみならず、それ自身の導出と解釈に重点を置いた講義で、森羅万象の謎を華麗に紐解いていく。

高3生 のキミへの学習アドバイス

物理受験者はまず数学Ⅲをしっかり得点源にすることを最優先に。数学Ⅲで学習した内容は物理に直結します。数理的に裏づけられた考察が十分にできていないと、物理は解法や結論を暗記するだけの教科になります。初等関数の計算、微小量の扱い、パラメータの扱い、グラフの描画に関する訓練は必ず物理に生きます。数学Ⅲの学習がひととおり終わっている受験生も多いとは思いますが、慢心せず腕を磨いてください。

また、授業を受けているだけで物理ができるようになることはありません。内容をすべてわかったとしてもそれはスタートラインです。しかし物理の場合、わかること自体も容易ではないので、何かがわかったなら自分を褒めてあげてください。そしてせっかくわかったならば、どうかわかったことを自分でできるようにするための努力を惜しまないでください。机に向かい、ノートとペンを持ち、自分の手を動かして図や数式によって現象をまとめていく訓練をしましょう。

間違いを恐れず間違いから学ぼう

間違うことを恐れないでください。今のうちにたくさん間違いましょう。間違いから学んでください。間違って立ち止まった方が結果として理解は深まります。マメができて皮膚が強くなるようなものです。当然ですが適当にやって間違えればいいというものではありません。「これで絶対間違いない」というぐらいに自分なりによく考察、検証したうえで、「見当違いも甚だしい」「この1時間、私は一体何をやっていたのか」というぐらいに間違う。これが一番効きます。最高の時間の使い方です。「何故だろう」が自分を最も成長させるわけです。

以下、WEB限定アドバイス!

東進生は、過去問演習に入る前に通期講座をしっかりと復習してください。通期講座で扱う例題は過去問と違って「物理を学んでいく道筋において重要なこと」が凝縮されています。すなわち「学習過渡における相応しさ」という観点では実際の入試問題よりずっと洗練されています。これをもう一度この時期にやり直すことは最高の学習となります。これからの過去問との戦いに備えて、なるべく多くの武器を用意し、磨いて、使い慣れておきましょう。また復習では問題を解き直すだけでなく講座の再現もやりましょう。通期講座から得られることは得られるだけ徹底的に吸収してください。

自分が監修している模試の解説では「解けなかった受験生への配慮」だけでなく「見通しやすさ、読みやすさ」や「解けた受験生をさらに成長させること」に気をつけて執筆しています。解けなかったところだけを読むのではなく、すべての解説を自分の手を動かしながら追っていただければかなりの成長が見込めます。模試を受験するだけでも意味はあると思います。教育的配慮のある問題ならばそれを解くだけで設問の流れから学ぶことができます。また、緊張感のある時間制限の中で集中して問題を解くということには、それだけでもかなりの学習効果が期待できます。今後、何を復習すべきかの目安にもなります。これらは学習において大切な経験です。これらの経験に比べれば「物理何点か」とか「全国何位か」とか「偏差値いくつか」などという成績なんて大した意味を持ちません。結果ではなく受験することの方に確かな意味があるわけです。それは必ずや後の過去問演習にも生きる力となります。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

高校数学の全範囲の学習が終わっていないならば物理よりそちらが先です。数学をⅢまでざっとひととおり勉強してからの方がスムーズに物理を学べます。使える道具は増やしておいた方が無難です。具体的にはベクトル、三角関数、分数関数、極限、微分積分、グラフ、媒介変数の扱いに慣れておくことが必要です。基本例題がすべてできればそれで大丈夫です。

物理ははじめの一歩が肝心!

高校数学の全範囲の学習を終えているならば、物理をしっかりと学び始めましょう。物理は他教科に比べても独特です。基礎事項が難しく、はじめの一歩の幅が走り幅跳びのように広いため、不慣れな足で飛び越えるのは大変です。モチベーションとペース配分を保つうえでも東進の通期講座を活用してください。ただし、講座がわかりやすいものであったとしても慢心しないでください。授業を受けるだけでできるようになるわけではありません。「わかる」のと「できる」のは違います。ちゃんと自分の手を動かしてノートにまとめるようにしましょう。

自然現象を数式で記述して手元に再現するという物理の基本的な営みはとてもおもしろいものです。物理ができるようになりたければ、より正確に定義や法則を理解しようと腰を据えて真剣に取り組む時間をとるしかありません。