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数学 吉原修一郎先生の学習アドバイス

MATH

数学

吉原修一郎先生

吉原修一郎先生

たくさんの生徒を第一志望合格へと導いてきた実績と、温かい人柄で圧倒的な支持を得ている数学講師。基礎から最難関まで、そして学年を問わず、目の前にいる生徒を思い、最高の授業を提供する。「数学って楽しい!」と絶賛される授業は常に生徒主体の対話形式で行われ、数学の思考法が自然と身に付くような工夫が随所に散りばめられている。

高3生 のキミへの学習アドバイス

夏は自由に使える時間が多くなるので、キミだけの勉強計画を立てることができます。弱点補強や学力の定着確認、実際に過去問を使用してチャレンジなど各教科考えるだけでもさまざまなことができそうです。しかし焦りは禁物、やるべきことに優先順位をつけて確実にそれを実行していくことを心掛けてください。

受験生一般に言えることですが、あれもこれもと手を広げすぎて、振り返ってみてどれも中途半端で夏を終えてしまうことが多いです。一日の勉強時間が多ければそれでいいのではなく、勉強時の集中力、いかに頭を回転させているかが大切です。人の集中力は長時間持ちません。なのでしっかり休憩も取り、意識的に身体と頭を休めること。そして休憩中は休憩することに集中し、寝転んだ状態で問題を解いたりといった中途半端な勉強はやめるようにしましょう。勉強に集中する時間と休憩時間の境界を明確にすることが大切です。

数学の勉強では、夏は苦手分野を克服する最後のチャンスだと思ってください。過去問演習をしている時に不安を抱える分野があるのであれば、時間が取りやすい夏のうちに、今まで使ってきたテキストや問題集の基本問題を見直しておくこと。この機会を逃すと志望校対策が本格化していく夏以降に苦手分野を復習するための時間を設けなくてはならなくなり、毎日の勉強時間を圧迫し、その結果の夜更かし、集中力の低下といった悪循環に陥ります。この夏の過ごし方をしっかり考えましょう。

模試には学力アップの「栄養」がたくさん

模試の扱いにも注意が必要です。模試の主たる目的は「受験生の中での自分の立ち位置を把握し合格の可能性を探ること」です。しかし模試の受験後に結果を見ただけでそのまま放置していないでしょうか?

模試は「学習効果が非常に高い教材」でもあります。答案が返却されてからが勝負、解けなかった問題の解き直し、解説と比較してより良い解法の研究、記述答案であればレイアウトの推敲などキミの力を高めてくれる「栄養」がたくさん含まれています。次に同じような問題が出題されたなら満点のレベルになるまで、とことん研究してください。

高3生にとっては高校生活最後の夏ですね。受験生ではあるけれど、この高校生活最後の夏を楽しんでもらいたいです。

部活をしているのであれば悔いのないよう引退まで全力で、委員会のメンバーであれば最後まで責任を持って全力で、仲間と過ごす時間は悔いのないよう全力で楽しんでください。

勉強も部活も学校行事も友人とともに過ごした高校生活は一生の宝物になります。青春を謳歌せよ!

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

今しかできない学びで数学の本質に触れよう

いよいよ待ちに待った夏休みを迎えます。キミは部活や学校行事の準備、友人や家族と出かけたりするなど充実した日々を過ごすのでしょうね。大学受験については少し先のことなので、今から受験生と同じように気を張って意識する必要はないとは思いますが、受験学年ではない高2生・高1生の夏休みならではの「受験を意識した数学の学び方」があります。それは「一つの問題を深く学ぶ」ことです。

取り組むテーマは何でも構いません。もちろん大学入試の過去問から選んでも構いませんし、模試や学校の定期テストで出題された問題でも構いません。キミの得意分野や興味ある問題をスタートにして、たくさんの別解を考えてみたり、数値を変えてみたり、同じような問題を作ってみたり、そこで使用される定理や公式の証明を追ってみたりしてください。同じ問題でも実にたくさんの学びの道が用意されています。

その際「できる・できない」は関係ありませんし、実際上手くいかないことの方が多いのが当たり前です。答えを出すのが目的ではありません。「あれでもない、これでもない」という試行錯誤の時間が多ければ多いほど数学と仲良くなれます。

そしてこのような思考力を鍛える勉強法は残念ながら受験学年になると時間的な制約の下で「非効率」となり、やりにくくなってしまいます。一日一題、あるいは二日で一題、もしくは、選んだ問題によっては一週間に一題でも構いません。とことん考え尽くすことの楽しさを味わってください。友人とお互いの解法を教え合うなど数学談話も交えるとさらに効果的です。

特にテーマが思いつかない場合は、思考力と論証力がつく単元である「初等幾何」「整数」がおススメです。ぜひチャレンジしてみてください。

受験までまだ少し余裕があるこの夏休みにしかできない数学の勉強法、本物の数学の勉強法に触れてワンランクアップしてもらいたいと思います。