部活をしている高3生は、春から夏にかけて引退時期を迎える人が多いだろう。また、高3生の引退を見送った高2生・高1生は新たな体制の中、部活動に励んでいるころだろう。さて、部活動と大学受験にはどのような関係があるのだろうか。勉強の時間を作るために部活を引退する人がいる一方で、高3まで部活動を続けて志望校に現役合格する先輩も数多い。そこで今回は、部活動と大学受験の合否との関係に焦点を当てて分析を行った。
まずは資料1を見てほしい。これは、今年難関大に現役合格した部活生が、いつ受験勉強を始めたかを示すデータだ。
これによると、現役合格者の7割以上が高1・高2のうちに受験勉強を始めている。高1・高2のうちから勉強を始めている人に、高3からスタートした人が追いつくことは容易ではない。目標を決め、あらかじめ計画を立てて物事を進めるほうが大学受験でも有利といえる。
次に資料2を見てほしい。難関大に現役合格した部活生と不合格だった部活生の学習時間の比較だ。結果は、合格した部活生のほうがトータルで170時間多く学習していた。高3の学習時間差では不合格者のほうがわずかに上回っていたが、高1・高2での積み重ねには遠く及ばなかった。また、170時間は多いように見えて合格した部活生の総学習時間の約4%。その僅差で合否が分かれるならば、意識をして早めに受験勉強を始めてみる価値がある。
では、難関大に現役合格した部活生は、受験勉強に集中するために早々に部活動を引退していたのだろうか。
難関大現役合格者の部活引退時期を調べると、「高3の1学期」が45.9%、「高3の夏以降」も含めると高3での引退は73.5%であった(資料3)。ここ1、2年は、新型コロナウイルス感染症により、思うように部活動が行えない時期もあっただろう。それでも、多くの部活生が高3まで部活動を続け、難関大に現役合格した様子が伺える。
資料2からも高3では時間だけで勝負しても合格は掴めない。質の高い学習を行うために、部活生が培った集中力や忍耐力、体力は大きなメリットとなる。部活にも全力で取り組み、難関大に現役合格した先輩に続けるよう、受験勉強を今すぐ始めよう!