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【大学入学共通テスト2025】日本情報科教育学会「情報」活用を要望

 日本情報科教育学会は2022年10月31日、2025年度大学入学共通テスト「情報」の適切な活用に向けた見解と要望を公表した。一部の国立大学で新科目「情報」を必須としながら配点しないと予告したことに対して、同様の動きが広がることを懸念し、適切な活用を強く求めている。

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 日本情報科教育学会は2022年10月31日、2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト「情報」の適切な活用に向けた見解と要望を公表した。一部の国立大学で新科目「情報」を必須としながら配点しないと予告したことに対して、同様の動きが広がることを懸念し、「情報」を適切に活用することを強く求めている。

 2025年度入学者選抜(2024年度実施)の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)では、「情報I」の内容を出題範囲とする「情報」が新科目として導入されることが決まっている。

 国立大学協会は2022年1月、「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」を公表。国立大学の一般選抜では2025年度入試から、共通テストで原則として「情報」を加えた「6教科8科目」を課す方針を示している。

 多くの国立大学はこれを受けて、新科目「情報」を加えた2025年度共通テストの実施教科・科目を予告。北海道大学は、2025年度共通テストでは「情報I」の成績は配点しないと明記。成績同点者の順位決定にあたり、個別学力検査等の成績も同点の場合は、共通テスト「情報I」の成績を活用すると予告している。徳島大学は、「情報I」の扱いについて2026年度(令和8年度)入学者選抜までは「総合判定の参考」とし点数化を行わず、2027年度(令和9年度)入学者選抜より点数化を行う予定としている。

 日本情報科教育学会は、「情報化が高度に進んだ現代では、文理を問わず大学教育を受けるために必要な基礎的な能力として情報に関する資質・能力を大学入学選抜の過程で評価・判定していくことが重要」としたうえで、一部の国立大学で「情報」を必須としながら配点を行わないと予告していることについて「このような動きが広がることを懸念している」と記した。

 さらに「高等学校段階における教育の成果を測定することになる入試において配点しないというのは、その科目の意義を否定することになるうえに、大学入学共通テストにおいて原則として『情報』を課すとした国立大学協会の基本方針を形骸化するもの」との見解を表明。情報科の学習内容や必要性について理解し、各大学が入学者選抜において共通テスト「情報」を適切に活用することを強く要望している。

 要望書では、補足として大学入試センターによるサンプル問題公開、文部科学省の高等学校情報科に関する特設ページ開設等、「情報I」の入試科目採用に向けた各機関の取組みも紹介している。


《奥山直美》

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