共通テスト記述式、否定的意見相次ぐ 文科省検討会議
新たな大学入試のあり方に関する文部科学省の検討会議が13日、同省内で開かれ、2020年度開始の大学入学共通テストへの導入が見送られた記述式問題について大学側から「根本的に問題がある」といった否定的な意見が相次いだ。高校側からは各大学が独自の視点で記述式の採点をすべきだとの声も出た。
記述式は国語で最大80~120字を書かせ、数学では数式などを書かせる予定だったが、採点ミスを完全になくせないなどの理由で見送られた。
東京大准教授の両角亜希子委員は、導入予定だった記述式問題に採点のブレを防ぐため複数の解答条件が付けられたことに触れ「(思考力、表現力など)測りたい能力を測れるように思えない」と指摘した。
これを受けて日本私立大学連盟常務理事の芝井敬司委員は「全くだめな問題だ。根本的に問題がある」と同意。公立大学協会指名理事の柴田洋三郎委員も「どのくらい意味があるかは疑問」と述べた。
国立大学協会入試委員会委員長の岡正朗委員は「完璧なものはなかなかない。国立大は(個別試験で)独自に記述式問題を出しているので、それでいいという意見もある」と話した。
高校側では日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋委員が「本来は各大学が解答を読み、評価すべきだ。(一律の)模範解答がある記述式はおかしい」と主張した。
英語4技能(読む・聞く・書く・話す)を試す狙いだったが活用が見送られた英語民間試験を巡っては、全国高等学校長協会会長の萩原聡委員が「4技能を測る必要がある大学が、主体的に責任をもって実施すればいい」との考えを示した。