共通テストの記述式見送り 文科省、来週前半に表明
2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される国語と数学の記述式問題について、文部科学省が来週前半に同年度の導入見送りを表明する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。採点の公平性などへの懸念を早期に解消するのは難しいと判断した。
文科省は11月に英語民間試験の活用見送りを決めており、大学入試改革の目玉が2つとも消えることになる。
記述式問題の導入は思考力や表現力を試すのが狙いだった。一方で50万人規模の解答を短期間で採点する必要があり、採点者は8千~1万人程度にのぼるとされ、採点にブレが生じる恐れが指摘されてきた。受験生が正答の条件や解答例と照らし合わせて行う自己採点も難しく、出願先選びに影響するとの懸念も出ていた。
記述式を巡っては公明党が5日、受験生などから理解が十分得られておらず、延期を検討するよう促す提言書を萩生田光一文科相に提出。自民党も導入するかどうか早期に判断するよう求める決議文を提出しており、文科省が見送りの検討に入っていた。