早稲田大学政治経済学部の大問Iでは、偏見・ステレオタイプ・差別を社会心理学の観点から研究した論説文と、コロナ禍と絡めた論説文の2つの文章からなる問題が出題された。

早稲田大学政治経済学部の学部入学試験では、日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式の総合問題が出題される。今年度の大問Ⅰの日本語による文章読解の出題は、問題文AとBに分かれ、それぞれ加賀美常美代ほか編著『多文化社会の偏見・差別』(明石書店、2012)とブレイディみかこ著「真の危機はウイルスではなく『無知』と『恐れ』」、朝日新聞社編『コロナ禍後の世界を語る』(朝日新聞出版、2020)からの抜粋による。
問題文Aは社会心理学による偏見・ステレオタイプ・差別についての研究をテーマとして扱った論説。他方、問題文Bはコロナ禍という時事的要素の強いテーマであり、欧州での新型コロナウイルス感染拡大初期のアジア人差別と結びつけた論考であり、AとBは一貫してグローバル社会における差別の在り方について扱っている。設問6では、問題文AとBを踏まえて、『「無知」であることが、なぜ差別につながるのか』について200字以内で論述する出題がみられた。
出題のテーマからみると、従来の入試で問われていた、高校での教科型の知識を網羅的・詳細に理解する能力よりも、大学での学問(特に政治経済学)を見越して重要になる国際・社会的テーマへの関心を問う問題であるといえよう。出題形式においても、複数の視点を統合し、相対化しつつ共通点をあぶりだす読解は、共通テストの動向とも符合する動きであり、新傾向入試で求められる力を反映している。個々の文章内容を科学的に理解することはもちろん、複数の情報を有機的に結びつけ理解する能力が、より必要とされていることがうかがえる。
この問題を攻略するには?
早稲田大学政治経済学部では、これまでの教科型の試験を廃止し、日本語と英語による文章読解が課される総合問題へと出題形式が変化しました。
大問Iの日本語による出題では、2種類の文章が出題されています。2021年度入試と比較して、大問Iでは図表読み取り問題が出題されなくなった代わりに分量が増え、スピード感を持って解答する必要のある試験に変化しました。素早く読みとき回答するためには、普段から出題されたテーマやその関連分野に関する文献等に触れ、内容理解のスピードを高めることが鍵となります。テーマとしては、入試改革以降の2年間ではジェンダーや人種、その他社会的に付与されたカテゴリーによって生じる社会問題が扱われています。日頃からこういった諸問題に関連するニュース記事や本を読むことで、問題への理解度も深まることでしょう。
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