実力講師陣による父母のための難関大合格講座レポート

西 きょうじ 先生

英文の構造を論理的に理解させる読解講義、根幹となる文法を生きた英語として体得させる文法講義、いずれも様々なエピソードを交えながらわかりやすく解説。ダイナミックな講義の中に、読んで、聴いて、書いて、話すための必須事項を網羅し将来使える英語力を育成します。幅広い層の受験生に支持されてきた知的刺激溢れる講義をご期待ください。

「やればできる」は根拠なき根性論

英語で〝Where there's a will, there's a way.(意志あるところに道がある)〞という成句があります。「本気でやればなんでもできる」という意味に誤解されがちですが、これは根拠のない根性論。(受験に関しては)「本気でやるつもりになれば、道はすでに存在している」と解釈してください。例えば偏差値50の生徒が、1年半後に国立大学に合格できる

かは保証できません。しかし、基本からスタートする体系的な学習経路を示し、ここに達すれば合格という道を具体的に示すことは可能です。なぜなら、入試の出題範囲は決まっていて、明確な修得順序に従って学習すれば、その分だけ偏差値が上がるからです。

学力アップの鍵は好奇心です。好奇心は驚きから始まり、驚きはギャップを感じることから生まれます。私の講義では、生徒にギャップを実感させて、まず驚いてもらうようにしています。例えば、「知っていると思いこんでいたことが実はまるでわかっていなかった」と実感する、というように。すると、「もっと知りたい」という好奇心が生まれます。「知性とは驚く能力のこと」という言葉もありますが、驚き、好奇心を抱く、これが勉強の出発点なのです。

最後にものを言うのは、実は「国語力」

私の一番基本的な講義では、中学レベルのテキストの文を表現させるのですが、意外にできない生徒が多い。中学レベルのことをきちんと理解していないと高校以上の英語への接続に苦労します。中学はパターンを覚えればよかったのですが、高校では理解と反復が必要になります。例えば、中学英語なら「学校に行く」は〝go to school〞で通じますが、

高校ではダメ。これは「勉強しに学校にいくこと」を意味しますから、そうでない状況では〝go to a school〞や〝go to the school〞と書き分ける必要があるのです。

このように、理解を伴いながら中学レベルの英語を確認することから順を追ってレベルを上げていくのが伸びていく道となります。これからの受験や英語教育は「聞く、読む」に「話す、書く」の4技能を重視する傾向にあります。

でも、書くことと読むことを同じレベルでこなすのは簡単ではありません。4技能は求められるレベルが違うということをまず認識しないと、学習法を誤ってしまいかねません。段階に応じた優先順位を考慮し、バランスを取りながらそれぞれの学力を高めていくことが大切です。受験英語で最後にものを言うのは、実は国語力や背景知識です。文章を読み取る力、論理的に考える力や、入試に出てくる時事テーマについての知識、さらには、自分の意見を述べる準備も必要です。高い目標へ一線を越えられるか、最終的には広い意味での国語力の有無が関わってきます。

記憶を高め、やる気を引き出す環境を

子どもは熱しやすく冷めやすい。好奇心も、モチベーションがなければその場限りのものになってしまいがちです。努力したら何を得られるのか、明確にわかっていればモチベーションは持続します。しかし残念ながら、一定の年齢を超えると親が子どもにモチベーションを与えるのは難しくなります。モチベーションは年齢の近い身近な仲間から得ることが圧

倒的に多いのです。東進のグループ制や担任助手の制度はモチベーションアップに有効な環境だと思います。

また、親の価値観に従うことが必ずしも良いこととは限りません。世の中はどんどん変化し、終身雇用制度も過去のものになりつつある時代です。いい大学に入り、大手企業に就職すれば安心という時代ではありません。さらにAIの進化でなくなる職業がある一方で、子どもたちの60%が今存在しない職業に就くという予測もあります。未来を担う子どもたちに必要なのは、変化に対応できるしなやかさ、思考力、タフさではないでしょうか。

高校生の子どもに親ができることは多くはないかもしれませんが、学力の向上に適した「環境」を提供すること、そして親自身も望ましい環境になることは可能です。家事をしながらラジオで英会話番組を聴いたり、読書を楽しんでいる姿を見せたりするのもいいと思います。

また、子どものやる気を引き出すにはほめること。ほめられると脳科学でいう「報酬系」のメカニズムが作動してやる気が起こります。ただし、結果だけほめると「結果さえ出せば」と考えてしまいがちなので、過程をほめてあげてください。それが次のやる気につながります。それから、最初に言ったように「あなたはやればできる」と励ますのは逆効果です。子どもはその言葉の根拠の無さを感じ取ります。遠い目標だけではなく、身近な目標を設定し、それを確実にクリアし続けていく。「やればできた」という事実を積み重ねていけるような環境に、子どもをおいてあげてください。