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公開日 : 2017/06/26

Q.将来やりたいことがわかりません

将来自分のやりたいことが何なのかよくわかりません。何十年か後には今の仕事の半分以上が人工知能の活躍によりなくなっているといいますし、どうしたらよいのか不安です。 (高1男子)
ギリギリまで悩みぬいて選択をしよう

この方が回答してくださいました!

国立情報学研究所 教授
やまだ せいじ
山田 誠二 先生

大阪大学基礎工学部制御工学科卒業、大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了、大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。大阪大学産業科学研究所講師、東京工業大学大学院総合理工学研究科助教授を経て、現在に至る。現在は国立情報学研究所教授、総合研究大学院大学情報学専攻教授、東京工業大学大学院知能システム科学専攻連携教授として活躍中。専門分野は人間・知識メディアで、現在はHAI(ヒューマンエージェントインタラクション)、IWI(知的Webインタラクション)について研究している。主な著書は『人とロボットの<間>をデザインする』、『適応エージェント』など。論文は「ロボットとの感情的インタラクションは外見の悪印象を緩和する」など多数。



AI(Artificial Intelligence)は人を超えるか


 「2045年に人工知能(AI)が人間の脳を超える」という話を聞いたことがあるでしょうか? 昨今、車の自動運転化が現実味を増し、AIが将棋や囲碁、チェスの世界ランカーを次々と打ち破っています。この話を聞くと、遠くない未来、私たちはAIに支配され、仕事さえも奪われてしまうのではないかと思うかもしれません。   


 結論から言うと、AIに私たちの仕事がすべて奪われることはありません。たしかに私たちはAIのようにすさまじいスピードで計算したり完璧に記憶したりすることはできないので、一部の限られたAIの得意分野では私たちの役割は減るでしょう。しかし、AIが不得意とする分野が多くあることも確かです。たとえば、AIは決められた道路の上を自動運転で車を走らせることはできても、道路のない場所や駅などを歩いて移動することはできません。簡単なおつかいでさえできないのが現状です。なぜなら、人が経験や常識、倫理観などによって当たり前に判断し、簡単に実行できることが、規定のプログラムとデータで動くAIにはすごく難しい。また、そうした人間が当たり前に持っている莫大な常識や知識を、AIにプログラミングすることも決して容易ではありません。 


 だから、「人間にしかできない仕事」は必ず存在しますし、創造性を要する仕事は人間(の脳)だからできる領域といえるでしょう。AIに仕事を奪われる…といった心配はまだまだ必要ありません。 むしろ、将来AIをひとつのツールとして使えるようにするために、今できることに精一杯取り組んでいきましょう! 



人と違う生き方がしたい!  


 実は、私が「研究職で生きていく」決断をしたのは、大学院修士課程の2年のとき。ちょうど「一般企業で就職するか、大学に残り研究を続けるか」の境目です。多くの友達が次々に一般企業に就職を決めていく中、焦りと迷いに襲われました。   


 そんな中、研究職で生きる決断をした理由。それは、「人と違った生き方がしたい」という気持ちをずっと持っていたことと、「自分の好きなことができる環境が大学にあると思った」ことです。周りの人と同じことをして一生を終えるのはいやでした。一般企業でも研究はできますが、研究資金と設備、安定性の面では、好況、不況にとらわれない大学が圧倒しています。ギリギリまで悩んで、「自分の好きなことができる環境がある場所=やりたい仕事」と考えたのです。   


 高校生のこの時期、やりたい仕事がまだわからなくても仕方ありません。ただ、「自分の好きなこと」や「どういう生き方がしたいのか」という自分の軸を考えておくことが、将来につながるかもしれませんよ!



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