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大学学部研究会

概要

   大学学部研究会は、高校生、中学生の皆さんが、日本を代表する一流教授陣から、人生を懸けて取り組んでいる研究内容の講義を受けられる貴重な機会です。

   大学での学びは、受験勉強とは異なり、答えのない問いに対して果敢に挑戦していくものです。各分野での最先端の研究と、先生方のメッセージを直接受け取り、皆さんが大学で何を学ぶのか、これからの人生をどう生きていくのかを考えるきっかけとしてください。本気の学びとの出会いが、10年後・20年後の社会で活躍する皆さんの原動力となることでしょう。

講義詳細

学問
分野

情報学、情報知能学

吉田塁先生の写真

楽しく深い学びを支える
「システム」の創造

東京大学大学院 工学系研究科 准教授

吉田 塁 先生

ご経歴

東京都世田谷区出身。2010年東京大学卒業。同学大学院へ進学後 2015年博士号取得。博士(科学)。同学教養学部特任助教、大学総合教育研究センター特任講師を経て、2020年から現職。2022年GESAwards 研究開発部門にて世界大会優勝し、株式会社LearnWizを学生と共同創業。

講演
内容

私は大学の工学部では画像処理を研究し、大学院では神経工学を研究していました。大学院のときにある教育プログラムに参加したことをきっかけに教育を生涯の研究テーマにしたいと考え、自分の工学という武器を活かして教育工学へ大きく専門を変えました。現在は、大規模にオンラインを活用して能動的な学習を促すための環境作りに関する研究や活動を行っています。大学は多様な学びを深めることができると同時に、探究する機会を多く与えてくれます。この講演では私の研究テーマと合わせて大学における多様な学びについても紹介します。

学問
分野

材料科学

川﨑 雅司先生の写真

光る・覚える・駆動する、半導体の凄技

東京大学 工学系研究科 物理工学専攻 教授

川﨑 雅司 先生

ご経歴

大阪府東大阪市出身。1980年東大寺学園高校卒業、1984年東京大学工学部卒業、1989年同博士課程修了。IBMワトソン研究所(米国NY州)博士研究員、東京工業大学助手・助教授、2001年東北大学教授を経て2011年から現職。2007年山崎貞一賞、2016年文部科学大臣表彰、2020年紫綬褒章。

講演
内容

現代社会を支えるエレクトロニクスや情報技術の根幹には半導体があります。半導体では、電子の流れをコントロールして、発光、メモリー、スイッチ、電波送受信など様々な機能を実現しています。スマートフォンを例にとりあげ、これらの機能を概説し、背景にある物理原理と材料化技術について説明します。さらに、半導体に関する世界の協業や競合の状況や、20世紀に確立した半導体の物理原理を大きく超える新原理の勃興についても触れてみたいと思います。

学問
分野

新興再興感染症、一般感染症、節足動物媒介感染症、輸入感染症

忽那 賢志先生の写真

感染症医ってどんな仕事?世界を揺るがすパンデミックにおける役割

大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学 教授

忽那 賢志 先生

ご経歴

2004年山口大学医学部卒業。医学博士。山口大学医学部附属病院、 奈良県立医科大学附属病院、国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室医長を経て、2021年7月より現職。大学での研究、著作、講演等の他、SNSを利用して感染症の情報を広く発信している。

講演
内容

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2019年末に登場し、私たちの生活は大きく変わりました。感染症が、こんなに世界を揺るがす存在になるなんて想像できたでしょうか?感染症医は、感染症の患者さんを診療したり、感染症の治療や予防について研究する医師です。特にこのコロナ下においては、感染症医は患者さんの診療だけでなく、COVID-19に関する研究、そして情報発信も行ってきました。感染症医とはどのような仕事なのか、どのような研究が現在の主流なのか、情報発信をすることの意義はどんなことか、などについてご紹介します。

学問
分野

国際政治、旧ソ連地域研究

廣瀬陽子先生の写真

ウクライナ戦争から考える世界の脅威

慶應義塾大学 総合政策学部 教授

廣瀬 陽子 先生

ご経歴

慶應義塾大学総合政策学部卒、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア/慶應義塾大学)。2016年より現職。専門は国際政治、旧ソ連地域研究。国家安全保障局顧問など政府の役職も多数。『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』講談社現代新書など著書も多数。

講演
内容

2014年のロシアによるクリミア併合や現在進行中のウクライナ戦争は、力による現状変更の試みであり、許されるべきではない。国際法や国際秩序はロシアを止められていないが、この戦争の背景やロシアの論理を知り、問題の所在を理解することは、今後の対応を考える上で重要だろう。また、ロシアが利用してきたハイブリッド戦争は世界の脅威となっているにも拘らず、その実態はあまり認識されていないのが実情だ。また、ウクライナ戦争は世界に多くの問題を突きつた。このような問題を総合的に理解し、ウクライナ問題の今後を考える。

学問
分野

量子力学・統計力学・機械学習

大関 真之先生の写真

量子のように生きろ

東北大学大学院情報科学研究科・情報基礎科学専攻・教授

大関 真之 先生

ご経歴

2008.09. 東京工業大学・博士課程修了
2010.05. 京都大学・助教
2011.04. ローマ大学・研究員
2016.10. 東北大学・准教授
2019.04. 株式会社シグマアイ創業・代表取締役
2021.01. 東北大学・教授
2022.04. 東京工業大学・教授(クロスアポイント)

講演
内容

皆さんの夢はなんですか?この質問の答えを準備しておいてください。僕は小学生の頃には教師と書いていたようです。今では大学の先生をやっています。そして量子力学というなかなか常識とはかけ離れた世界について研究をしていて、しかも僕は物理学科の出身です。でも所属は情報科学。大学受験はゴールではない。大人たちはそんなことをたまにいうかもしれません。その意味はなんだろうか。一つに定まることなんてない。常に変化し続けよう。常に新しい存在でいよう。そんなメッセージを込めて、最先端の量子コンピュータの話をします。

学問
分野

航空宇宙工学

桒原 聡文先生の写真

小型宇宙機技術が拓く新しい宇宙開発利用と宇宙ビジネス展望

東北大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 准教授

桒原 聡文 先生

ご経歴

福岡県出身。2005年九州大学修士課程修了。2009年ドイツ・シュトゥットガルト大学にて博士号取得。超小型人工衛星技術の研究開発に従事。2015年から現職。大学宇宙工学コンソーシアム理事長。株式会社ElevationSpace共同創業者兼取締役CTO。株式会社中島田鉄工所、および株式会社ALE技術顧問。

講演
内容

宇宙システムの小型高性能化は、これまで大型宇宙システムでしか成しえなかった宇宙環境利用や宇宙探査に代わる新たな実現手段の開拓を可能にし、これからの宇宙開発・利用・探査の高度化と、社会実装を通した技術発展の高速化に寄与します。本講義では、小型宇宙機技術の最前線について具体的な事例を基にご紹介すると共に、Post ISS時代(現行の国際宇宙ステーションの運用が終了した後の世界)における高頻度宇宙環境利用・回収技術に基づく新しい宇宙開発利用の可能性と、コミュニティの裾野拡大の重要性についてお話したいと思います。

学問
分野

都市計画、都市復興・再生

真野 洋介先生の写真

災禍からの復興・再生を通じて、2040年の都市デザインを考える

東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 准教授

真野 洋介 先生

ご経歴

岡山県倉敷市出身。1995年早稲田大学卒業、2000年同大学院博士課程修了。博士(工学)。東京理科大学等を経て、2003年東京工業大学助教授。2015年から現職。2012年、フリーペーパー「石巻VOICE」でグッドデザイン賞。2016年、複合施設「COMICHI石巻」で日本都市計画学会計画・設計賞。

講演
内容

2011年の東日本大震災や2020年のコロナ禍など、近年の生活環境で発生した災禍からの復興・再生の取り組みが、私たちの都市・地域での住まいや暮らしを変えるだけでなく、人生選択や価値観を考え直すきっかけとなっています。この講義では、こうした社会の変化やライフシフトを契機として生まれた建築とまちの再生プロジェクトを通して見えてきたことと、新しい都市計画やデザインの考え方などを踏まえ、20年後の都市と社会基盤(ソーシャル・インフラストラクチャー)のデザインについて考えてみましょう。

学問
分野

無機合成化学(物質と材料のものづくり)

山内 悠輔先生の写真

ミクロなスケールでの未来物質・材料のものづくり

名古屋大学大学院 工学研究科 物質プロセス工学専攻 教授

山内 悠輔 先生

ご経歴

2003年早稲田大学理工学部卒業後、2007年同大大学院にて博士(工学)取得。2017年クイーンズランド大学教授として着任。2020年より総額15億の大型国家PJ・山内物質空間テクトニクスの日豪研究拠点を統括。2023年より名古屋大学工学部卓越教授(第一号)として着任。文科大臣表彰など受賞多数。

講演
内容

山内氏が世界に先駆けて実現した導電性ナノ多孔体は「第二世代無機多孔体」として、今世界の材料化学の分野で特別な注目を集めています。特に、金属ナノ多孔体は、ナノスケールの無機固体金属に、制御された微細な空間(細孔)を持ちながら、さらに電気伝導性も有する無機単結晶構造体です。また、ナノサイズからメソサイズの範囲で高度に集積化(ハイブリッド化)させることで異種材料の相乗的融合が生まれ、新しい電子・物理化学的な性質の発現が期待されます。まさに、未来のものづくりコンセプトです。そんな話をします。

学問
分野

化学生物学

山東 信介先生の写真

ケミカルバイオロジー:生命を分子のレベルで理解する

東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻 教授

山東 信介 先生

ご経歴

和歌山県和歌山市出身。2001年京都大学大学院工学研究科博士後期課程終了。スタンフォード大学博士研究員、京都大学助手・助教、九州大学特任教授・教授を経て、2014年から現職。

講演
内容

当然のことでありながら忘れがちですが、私たちの体は”分子”でできています。タンパク質や遺伝子、糖なども分子であり、また体にたくさんある水も分子です。このような分子が協調的に活動し、私たち生命の機能を担っています。化学の観点から分子レベルで生命を理解したり、制御することは、生命のしくみの理解、さらには「創薬」など分子が働く現場でとても重要です。生命を分子のレベルで理解しようとする最先端の「ケミカルバイオロジー」についてお話しします。

学問
分野

気候科学

渡部 雅浩先生の写真

気候変動の科学
―基礎研究と社会貢献を両立する―

東京大学 大気海洋研究所 教授

渡部 雅浩 先生

ご経歴

1971年、神奈川生まれ。2000年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。ハワイ大学客員研究員、北海道大学准教授、東京大学気候システム研究センター准教授を経て、2016年より現職。専門は気候変動の科学、気候システムのモデリング、気象学など。日本気象学会賞など受賞多数。IPCC第6次評価報告書の主執筆者を務めた。著書に『絵でわかる地球温暖化』(講談社、2018)など。

講演
内容

2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋博士が気候のモデルを作り始めた1960年代、「気候科学」という言葉は存在しませんでした。現在では、気候科学は温暖化の仕組みや予測からエルニーニョのような自然の変動までを扱う大きな分野に成長し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)はもちろん、生物多様性やSDGsとも繋がる多様な専門性をもつ科学者のコミュニティが形成されています。基礎科学としての自然の理解と、脱炭素を目指す社会への貢献を両輪に掲げる気候変動の科学について、IPCCの最新報告書や真鍋博士の業績などに触れつつ、現状とこれからの展開をお話しします。

学問
分野

環境経済学

横尾 英史先生の写真

経済学の力で環境問題に取り組む

一橋大学大学院 経済学研究科 准教授

横尾 英史 先生

ご経歴

群馬県桐生市出身。京都大学経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科にて博士号取得。東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系国際協力学専攻助教、国立環境研究所研究員などを経て、2019年一橋大学講師。2023年から現職。環境経済・政策学会理事。2014年、環境経済・政策学会奨励賞。

講演
内容

21世紀を生きる私たちは気候変動問題を始め多くの環境問題に直面しています。この環境問題に対して私たちはどのように取り組むべきでしょうか?環境経済学とは「政府による環境政策」や「企業・家庭の環境に配慮した取り組み」を経済学の手法で研究する分野です。では、そもそも現代的な「経済学」についてみなさんはご存知でしょうか?経済学といえば「お金」についての学問というイメージがあると思います。間違いではありません。しかし、もっと深い、「個人と組織と社会による選択」を「数学を応用して研究」する分野です。

学問
分野

機械学習、人工知能、コンピュータ科学

杉山 将先生の写真

コンピュータはどこまで賢くなれるのか:機械学習の挑戦

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 教授

杉山 将 先生

ご経歴

東京工業大学工学部情報工学科卒業,同大学院情報理工学研究科修士・博士課程修了.同助手,助教授を経て,2014年より東京大学大学院新領域創成科学研究科・大学院情報理工学系研究科・理学部教授.2016年より理化学研究所革新知能統合研究センター長を併任.機械学習の理論,アルゴリズム,応用研究に従事.

講演
内容

この10年で人工知能の研究は飛躍的に発展し、音声認識,画像理解、言語翻訳、電子商取引、囲碁、自動運転などにおいて、人を超えるレベルの能力を持つようになりました。近年は、画像や文章を創り出す生成的人工知能と呼ばれる技術が劇的に進化し、人工知能の研究は新たな時代に突入しつつあります。本講義では、これら先端的な人工知能の背後で用いられている機械学習に焦点を当て、機械学習研究の国際的な動向を概観するとともに、教師付き学習、教師なし学習、強化学習などの機械学習の基礎的な概念を紹介します。

学問
分野

乳幼児教育学・保育学

北野 幸子先生の写真

保育専門職の独自性と重要性
~こどもまんなか社会のこれからを考える~

神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 教授

北野 幸子 先生

ご経歴

広島県広島市生まれ。1993年神戸大学教育学部幼児教育科卒。1998年広島大学大学院教育学研究科博士糧後期幼児学専攻満期退学。2001年9月 博士(教育学)(論文博士:広島大学 第3508号)。広島国際大学、福岡教育大学を経て、現職。免許:幼稚園・小学校・中学校・高等学校(英語)

講演
内容

2023年4月にこども家庭庁が創設された。SDGs(持続可能な開発目標)について学ばれた方も多いであろう。SDGsの目標4番は「すべての人に質の高い教育」が、その内のターゲットの4.2では全ての乳幼児への質の高い教育が目指されている。次世代がいなくなっては社会は存続しえない。持続可能な発展の鍵の一つは次世代育成のあり方であろう。園における乳幼児教育は、家庭保育とも小学校以降の教育とも大きくことなるものである。人格形成の基礎を培う乳幼児期にこそ大切で独自な育ちと学びを支える保育専門職について講じたい。

学問
分野

経営学、組織論、デザイン学、文化論

山内 裕先生の写真

新しい価値をつくる方法:
イノベーションの源泉としての文化と歴史

京都大学 経営管理大学院 教授

山内 裕 先生

ご経歴

京都大学工学部情報工学、情報学修士、UCLA Anderson Schoolにて経営学博士。Xerox PARC研究員を経て、京都大学経営管理大学院に着任。鮨屋、フレンチなどのサービスをはじめ、デザインやアートなど文化の経営学を研究している。

講演
内容

新しい価値を作り、社会を変えていくためにはどうすればいいだろうか? 従来は、人々の欲求を理解し満たすことが価値だと考えられてきた。しかし、欲求が満たされても、人々は次のものに移っていくだけで、何かに熱狂することはない。新しい価値をつくるためには、その時代の表現を生み出さなければならない。人々は自分を表現できずに悶々としているとき、新しい世界観が提示されると、世界と自分自身に新しい意味を感じ取ることができる。このような表現を生み出すためには、人文社会学的な視点と姿勢が重要となる。

学問
分野

社会学

筒井 純也先生の写真

変化する家族とライフコース:
家族社会学の研究から

立命館大学 産業社会学部 教授

筒井 淳也 先生

ご経歴

立命館大学産業社会学部教授。専門は家族社会学、計量社会学。一橋大学社会学部、同大学院社会学研究科、博士(社会学)。著書に『社会を知るためには』(ちくまプリマー新書、2020年)、『社会学入門』(共著、有斐閣、2017年)など。内閣府第四次少子化社会対策大綱検討委員会・委員などを務める。

講演
内容

私たちが現在思い描く「家族」は、親や祖父母とのつながりが希薄だったなど、かつての「家族」の当たり前とは全く異なったものになっています。また、現在の家族に限ってみても、日本と諸外国ではずいぶんと違ったものになっています。たとえばヨーロッパでは、両親が結婚していないことが当たり前になりつつあります。家族社会学では、歴史的資料や人口学的データを用いて、こういった家族の変化と多様性について研究を行っています。講義では、これからの家族の話を含めて、家族社会学の魅力について話をします。

学問
分野

映像文化論(東アジア映画、韓流)

李 香鎮先生の写真

韓流の社会学:ファンダムから国境を越える文化的連帯を考える

立教大学 異文化コミュニケーション学部 教授

李 香鎮 先生

ご経歴

韓国出身。リーズ大学コミュニケーション学部で博士号を取得。シェフィールド大学を経て、2008年より立教大学教授。2014年ハーバード大学客員教授。2021年からベルリン自由大学招聘教授。Contemporary Korean Cinema: Identity・Culture・ Politics (MUP, 2000), 『韓流の社会学』(岩波書店、2008)、『コリアン・シネマ:北朝鮮・韓国・トランスナショナル』(みすず書房、2018)。

講演
内容

韓流は1990年代から中華圏を中心に始まり、2000年代には日本で爆発的な人気を得て汎アジア文化に進化した。最近ではネットフリックスやYouTubeのようなグローバル・オンライン・メディアがアジアを越えて世界中の韓流ファンをつないでいる。本講演では、韓流がドラマからKーPop、ファッション、食べ物、ウェブトゥーンに至る多方面でグローバル社会に文化的共感を広げている過程について語る。その中で、性別差別や人種主義的偏見にも負けない若い世代の文化的選択と連帯に注目する。

学問
分野

メディア研究

藤田 真文先生の写真

メディア化した社会とは〜テレビドラマと社会の関係を事例に

法政大学 社会学部 メディア社会学科 教授

藤田 真文 先生

ご経歴

中央大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学法学研究科(政治学専攻)博士課程修了。日本民間放送連盟研究所、八戸大学商学部、常磐大学人間科学部を経て1999年より現職。放送批評懇談会理事、BPO放送倫理検証委員会委員などを務める。2021年より2年間台湾国立政治大学で在外研究を行う。

講演
内容

マスメディア(新聞、放送など)やITメディア(SNSなど)を理解するために、社会学分野でどのような研究が行われているか話します。前半は社会学とメディア研究とはどのような学問なのかについて概説し、後半は私の研究テーマであるテレビドラマ分析を事例にしてより具体的に社会とメディアの関係を探っていきます。

学問
分野

社会福祉学

鏑木 奈津子先生の写真

貧困・生活困窮に「今」求められる支援とは

上智大学 総合人間科学部社会福祉学科 准教授

鏑木 奈津子 先生

ご経歴

上智大学卒業後、医療ソーシャルワーカーとして勤務し、大学院進学。日本学術振興会特別研究員を経て、博士号取得。2014年より厚生労働省で専門官として勤務し、2021年より現職。生活困窮者自立支援全国ネットワーク研修・研究委員、国家資格社会福祉士試験委員。2013年日本社会福祉学会奨励賞。

講演
内容

わずか15年程前まで、「成熟した日本社会に生活困窮者はいないのではないか」との意見も聞かれ、そのために一部の人に支援が届きにくい状況がありました。現在、日本社会の貧困に対するリテラシーは向上し、そのような意見はあまり聞かれなくなりました。このような社会の変化が生じた背景には、どのような要因があるでしょうか。本講義では、貧困の概念や社会の認識の変化を踏まえつつ、「今」求められる支援の方向性を紐解きます。講義を通じて、大学で社会福祉を学ぶ意義も考えていきたいと思います。

学問
分野

プライバシー権、個人情報保護法

石井 夏生利先生の写真

AI時代のプライバシー・個人情報保護

中央大学 国際情報学部 教授

石井 夏生利 先生

ご経歴

兵庫県神戸市出身。1997年3月東京都立大学法学部法律学科卒業、2007年3月中央大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。1997年4月以降、司法修習生(第51期)、弁護士業務、情報セキュリティ大学院大学助手、筑波大学図書館情報メディア系准教授等を経て、2019年4月より現職。

講演
内容

社会の技術発展のスピードはますます加速しており、メタバース、Web3.0、生成AIなど、インターネットサービスを巡る様々な動きが生じています。技術やサービスの複雑化に伴い、私たちは自己の個人情報がどのように収集、利用されているかを知ることが困難になっています。また、私たち自身も、SNS等を通じてプライバシー侵害の被害者になる場合もあれば、加害者になる場合もあり得ます。このような時代において、私たちはプライバシーや個人情報をどうすれば適切に守ることができるのか、法分野は新たな問題にどのように対処すべきかといったお話をします。

学問
分野

憲法学(比較憲法学)

村山 健太郎先生の写真

比較憲法学から考える表現の自由とヘイト・スピーチ

学習院大学 法学部法学科 教授

村山 健太郎 先生

ご経歴

東京都武蔵野市出身。東京大学法学部卒業後、ハーバード大学法科大学院修了(LL.M.)。東京大学大学院法学政治学研究科助手、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、学習院大学法学部法学科(兼同大学大学院法学研究科)専任講師、同准教授を経て、2014年より同教授、現在に至る。

講演
内容

2022年、最高裁判所は、ヘイト・スピーチを規制する大阪市の条例が、憲法上の表現の自由を不当に制限するものではないと、判断しました。ヘイト・スピーチとは、人種、宗教などの集団に属する人々に対して、憎悪や偏見を表明する言論のことです。この講義では、ヘイト・スピーチを法律や条例で規制することができるかという問題について、合衆国憲法の議論と比較しながら、日本国憲法の解釈として、どのように考えればよいのか検討します。また、法学・憲法学・比較憲法学がどのような学問なのかについても、簡単に解説します。

学問
分野

民俗学

塚原 伸治先生の写真

地方都市の「伝統文化」をフィールドワークする

東京大学大学院 総合文化研究科 准教授

塚原 伸治 先生

ご経歴

千葉県佐原市(現・香取市)出身。2006年筑波大学卒業、2011年筑波大学大学院退学。博士(文学)。東京大学東洋文化研究所特任研究員、茨城大学准教授を経て、2021年より現職。主要著書に『老舗の伝統と〈近代〉―家業経営のエスノグラフィー―』(吉川弘文館、2014年)など。

講演
内容

「伝統」というのはなかなか厄介なものである。「伝統は大切にしなければならない」とお説教されたと思えば、別の場所では「伝統にしばられるな!」と言われたりもする。「じゃあどうすればいいの?」となるのも無理はない。なぜそんなことになるのかというと、「伝統」というものが、私自身のものであるのと同時に、それに関わってきた人たちや、いま現在この伝統に携わっている多くの人たち「みんな」のものでもあるからである。この授業では、私がずっとフィールドワークを続けているある地方都市のお祭りを事例に、伝統文化の現在について考えてみたい。

学問
分野

観光心理学、社会心理学、産業・組織心理学

小口 孝司先生の写真

“観光心理学”って何?

立教大学 現代心理学部 心理学科・教授

小口 孝司 先生

ご経歴

長野県岡谷市出身。1992年博士(社会学:東京大学)取得後、昭和女子大学、千葉大学を経て、現職。ジェームズクック大学客員教授、香港理工大学客員教授等などを歴任。Journal of Travel & Tourism Marketingその他の国際学術誌の編集者、国際・国内学会理事等を務めている。

講演
内容

観光を研究?、しかも心理学から??と思われるでしょう。しかし、今回の話を聞いていただくと、その意味が必ず分かっていただけます!観光は今後の日本にとって極めて重要かつ必須な産業です。さらに観光は、今後みなさんの力になってくれるものです。気持ちが落ち込んだときにどうするのか。自分の「能力」をどう高めていくのか。そしてどうやって自分を伸ばしていくのか。皆さんが予想もしていなかった内容が展開されると思います。少しでも興味を持たれたら、是非視聴してみて下さい。(将来、一緒に研究できるとうれしいです。)

学問
分野

理論言語学

上山 あゆみ先生の写真

統語論とは何か:無意識のうちに獲得している「ことばの知識」

九州大学 人文科学研究院 言語学講座 教授

上山 あゆみ 先生

ご経歴

京都市出身。1985年京都大学を卒業後、大学院に進学。1993~1998年 米国に留学し、南カリフォルニア大学(米国)にて博士号取得。帰国後、京都外国語大学助教授を経て、2002年に九州大学文学部助教授。2014年から現職。2022~2023年、九州大学文学部長。

講演
内容

「ことばなんて、雰囲気で使ってるだけ。」と思っている人も多いかもしれません。確かに、私たちが普段話していることばは、国語の教科書に書いてあるような文でもNHKのアナウンサーがしゃべるような文でもありませんが、あらためて調べてみると、いくらメチャクチャに見えても案外「きまり」にしたがっているものです。ことばに何らかの「きまり」があることに注目してそれを整理しようとするのが言語学の仕事です。今回の話では、ことばのほんの一面しか扱えませんが、私たちが無意識のうちに「きまり」にしたがってことばを使っていることに気づいてほしいと思っています。

学問
分野

日本文学・国語科教育

石塚 修先生の写真

納豆はなぜ食べ続けられてきたのか

筑波大学 人文社会系/比較文化学類 国際日本研究専攻 教授

石塚 修 先生

ご経歴

1961年栃木県生まれ。1985年筑波大学大学院教育研究科修了。公立高校教員・筑波大学附属駒場中高校教員を経て、筑波大学文芸言語学系講師。現在は同人文社会系教授。博士(学術)。茶の湯文化学会理事、日本国語教育学会理事、裏千家茶道教授(宗修)。

講演
内容

日本の伝統的食品であり、健康食品としても注目されている納豆ですが、その起源について文献学的な調査はほとんどなされていません。しかし、こうした食品が我が国に現存していることはゆるぎない事実です。では、私たちの祖先は、納豆をどのように食文化に取りいれてきたのでしょうか。「関西は納豆を食べない」・「納豆は朝ごはんに食べる」といった現代の常識が、はたして日本の食文化の伝統として正当なのでしょうか。同様のことはお茶にも言えます。そうしたことについて、人文学の見地から考えていきます。


対象

東進生(高2生、高1生、中学生)

※夏期特別招待講習を受講している一般生も受講できます。

実施期間

8月6日(日)~8月15日(火)
最大3講座受講できます。

申し込み

8月3日(木)まで

申し込み方法

所属の校舎スタッフにお伝えください。

形式

オンライン実施

参加費用

無料