《リスニング》 設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵などを選ぶ問題
例年同様、絵や数値に関する問題を中心とする構成であった。絵については、家の外観、バッグの形状、案内状(インクの染みのために一部読み取れない)に関する問題で、どれも平易なレベルである。数値についての問題は、1つがサッカーの得点に関するもので、落ち着いて聞き取れば問題なく答えられる。もう1つは金額に関するもので、簡単な計算を伴うところがポイントであった。
【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
会話の最後に続く応答を選ぶ問題で、例年同様の問題数だった。いずれも状況を考えなければならない設問であり、対話の大筋が聞き取れなかった人は誤った選択肢に引っかかったかもしれない。会話の決まり文句が決め手になる問題も一部あるが、ほとんどは何が話題の中心かをしっかりつかみ、全体的文脈をとらえることが不可欠である。また、明確な応答ではなく、自然につながるものを消去法で選ぶべきケースもあるので注意したい。
【第3問】A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
B 長めの対話の内容について、表にあてはまるものを選ぶ問題
Aはいずれも昨年同様、対話の具体的状況を把握できなければ正解できない問題であった。問14と問16は男性と女性の発言内容の違いが理解できれば比較的やさしい問題だったが、問15は正解以外の選択肢に読み上げ文の語句が用いられ、正解は別の語句で言い換えられているので紛らわしい。
Bは、聞き取る情報の順序が表とほぼ同じだったので、昨年より聞き取り易かったであろう。 [18] と [19] はパーセンテージが同じなので、人数の情報を組み合わせて処理しなければ答えられず、1回目の聞き取りで答えを確定できた受験生は少なかったのではないか。英文が読み上げられる前に表の数値の違いを確認し、1回目でポイントを絞り込んで、2回目で必要な情報に焦点を当てて聞き取る、といった手順が必要である。
【第4問】A 短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
B 長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
Aは、問21の選択肢が正しい文を選択する問題から4項目の順番を問う問題に変わったが、基本的には昨年と同じ形式の問題であった。問22の正誤問題は内容が理解できなかった人には難問。Bではコレクションに関する長文が読み上げられたが、細部を聞き取れたかどうかではなく、文章全体の内容を総合的に理解できたかどうかで差が出たと思われる。特に問25は細部にとらわれて文脈が把握できないと答えを誤る設問である。