HOME
大学入試センター試験
トップ
地理B: 設問別分析
《地理B》 設問別分析
【第1問】世界の自然環境と自然災害
例年通り第1問は自然環境に関する出題であり、4年続けて自然災害に関する設問が盛り込まれた。全体的に標準以上の設問が並び、理解が不十分な受験生にはやや得点しづらい大問である。
問1 大地形の分布に関する理解が決め手となる。標準。
問2 それぞれの湖に関する知識ではなく、周辺の自然環境の理解が必要。
問3 成帯土壌チェルノーゼムに関する基本的な出題である。
問4 植生に関する文章の正誤判定だが、丁寧な判読が必要。
問5 サヘルに関する正誤判定だが、常識的にも判断できそうである。
問6 エルニーニョ現象に関する問題だが、冷静に考えれば難しくない。
【第2問】資源と産業
第2問は例年、産業分野に当てられている。そのうち「資源と産業」というテーマは2008、2011、2014、2017年と3年周期で出題されてきたが、この周期が崩れて2年連続の出題となった。得点しやすい設問が並んでいるので、ここで稼ぎたい。
問1 スマートフォンに用いる資源や技術の分布。ボーキサイトの判定が鍵。
問2 九州に分布する半導体産業の立地条件。基本的な理解があれば十分。
問3 世界の工業地域に関する文章判定。標準的な設問である。
問4 自動車産業に関する統計判定。アジアの判定だけなら難しくない。
問5 科学技術と農業に関する正誤判定。基本用語の理解が決め手となる。
問6 日本のサービス業の分布。大都市圏への集積度が判定のポイント。
【第3問】生活文化と都市
集落(都市・村落)に関する問題は2009年以降続けて出題されている。近年は生活文化との組み合わせが定番になっている。前年は設問数が一つ減ったが、本年は以前の6問に戻った。難問はみあたらないので、とりこぼしに注意したい。
問1 宗教に関する統計判定。ドイツ=新教と単純化していると、やや迷う。
問2 衣服の地域性に関する問題だが、文章から画像を思い浮かべたい。
問3 マレーシアの民族問題。用語の知識に関する標準的な設問である。
問4 都市人口に関する統計判定。できれば4カ国とも判定してほしい。
問5 旧城下町の都市景観に関する文章判定。これも4地点とも判断したい。
問6 日本の都市ごとの人口ピラミッドの判定。労働力の分布を考える。
【第4問】西アジアと周辺地域
地誌を扱う大問の地域として西アジアがとりあげられるのは、2014年以来である。やや難度の高い設問が並ぶ大問であった。
問1 地形環境に関する問題。アルプス=ヒマラヤ造山帯の位置を考える。
問2 農業生産に関する問題。D=アフガニスタンの知識は乏しいだろう。
問3 各国の宗教別人口の判定。「外国籍の住民を含む」が重要なヒント。
問4 産業と経済に関する3指標の判定。やや難しいので冷静に対処したい。
問5 外国からの訪問者と日本からの直行便の統計を判定する。難問である。
問6 3カ国における紛争に関する組み合わせ問題。正確な理解が必要。
【第5問】北欧3カ国の比較
新課程の実施に伴い2016年度からは比較地誌の大問に衣替えされた第5問だが、これまでの2カ国の対比であったものが、3カ国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)の比較として出題された。地誌に関する標準以上の知識と理解が求められている。
問1 3地点の気温の年較差。ヨーロッパの気候における海洋の意味を考える。
問2 3カ国の発電エネルギー。頻出だが、地誌的な知識が必要である。
問3 3カ国の貿易統計判定。スを先に判定できれば、あとが決めやすい。
問4 アニメーションを題材にした設問。「海賊」「ウラル語族」が鍵。
問5 形式が目新しい統計判定。北欧=高福祉・高負担という理解が必要。
【第6問】地域調査(岐阜県高山市)
例年通り地理A(第5問)との共通問題である。設問数は、昨年一つ増えたものが、元に戻されて6問となった。例年出題される新旧地形図の比較がなかった。全体としては標準的な難易度の大問である。
問1 3都市の気候判定。日本海側・太平洋側・内陸の特徴をつかむ。
問2 統計地図における指標の意味が分かっていれば、常識で判断できる。
問3 会話文の判定。会話内容を丁寧に読解しないと混乱しそうである。
問4 地形図の判読。基本的な地図記号の知識で判定可能である。
問5 観光に関する統計の読み取り。下線部だけを見ていると間違いやすい。
問6 標高と植生帯との組み合わせ。一般的な理解を当てはめて考える。
SNSでシェアしよう!
表示:スマートフォン版│
PC版