大学入試センター試験

《地理A》 設問別分析


 
【第1問】地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災

例年と同様に、図や写真などを用いて基礎的な知識を問う総合問題である。A・B2つの分野を組み合わせているが、全体として標準的な大問である。

問1 4地点の特徴的な地形に関する文章の正誤判定。
問2 4緯線上の年降水量を示すグラフの判別。標準的。
問3 国家や領域に関する文章の正誤判定。易しい。
問4 3地点の日の出・日の入りに関する資料の判別。
問5 GIS(地理情報システム)に関する文章の正誤判定。考えにくい。
問6 日本の4地点におけるイチョウ黄葉日の資料の判別。勘違いに注意。
問7 GISの災害対策における活用に関する文章の正誤判定。
問8 自然災害の対策用施設の写真の判別。常識的に判断したい。



【第2問】世界の生活・文化

前年と同じ分野からの出題であった。基本的な知識の運用で高得点を目指したい大問である。

問1 4地点の祭礼・伝統文化を示す写真の判別。背景の景観にも注意。
問2 2カ国の国章に関する説明文の判別。地理Aらしい設問である。
問3 3カ国の水資源に関する統計の判別。日本とメキシコで迷いやすい。
問4 イモ類生産量の統計地図の判別。タロイモとキャッサバの判別が鍵。
問5 訪日外国人旅行者の統計グラフに関する文章の正誤判定。易しい。
問6 国境と民族・国民のかかわりに関する文章の正誤判定。
問7 各国の文化に関する文章の正誤判定。正しい用語の理解が必要。


【第3問】南アメリカ地誌

2017年に出題されたばかりの南アメリカが扱われ、3年続いていわゆる「新大陸」からの出題となった。

問1 4地点の雨温図の判別。頻出タイプの問題である。
問2 4つの世界遺産登録地域の景観写真の判別。景観から判断できる。
問3 アンデス山脈における高度別の農畜産物生産に関する資料の判別。
問4 漁業および畜産業の生産統計における国名判別。
問5 鉱産資源の産地分布図における凡例の判別。標準的。
問6 スペイン語を公用語とする国の選択。単純な形式の設問である。
問7 ブラジルと日本の人的交流に関する文章の正誤判定。



【第4問】世界の結びつきと地球的課題

第4問は例年、「地球的課題」に関する出題となっている。前年同様に「世界の結びつき」との組み合わせで出題された。標準的な内容だが、統計の判定には時間をかけて丁寧に解きたい。

問1 加盟国中にOECD加盟国を含まない国際機構の選択。
問2 4カ国の交通機関に関する統計表の判別。4カ国とも判定したい。
問3 携帯・固定電話の普及率に関する国名選択。近年頻出の主題。
問4 4カ国の高齢者人口割合推移の統計グラフの判別。やや難。
問5 人口・移民等に関する統計地図の判別。イとウの判定が難しい。
問6 発展途上国の都市問題に関する文章の正誤判定。慌てずに判断したい。


【第5問】地域調査(宮崎市)

例年通り地理B(第6問)との共通問題である。2年続いて新旧地形図の比較が出題されず、地形図読図のウエイトが低下している。全体としては標準的な難易度の大問である。

問1 3都市の交通の発達に関する資料の判別。ユニークな題材である。
問2 宮崎市の観光統計に関する説明文の正誤判定。特別な知識は不要。
問3 地形図と景観写真に関する説明文の正誤判定。
問4 土地利用を示した新旧数値地図に関する説明文の正誤判定。
問5 市町村別農作物生産を示す統計地図の判定。
問6 口蹄疫に関する会話文の適語補充。過去の出題と比較して斬新な内容であった。