大学入試センター試験

《数学I・数学A》 設問別分析


 
【第1問】 数と式・集合と命題・2次関数
[1](数と式)
根号、絶対値を含む式の整理と、これを含む方程式の解を求める問題である。根号と絶対値のそれぞれの性質を正しく理解できているかが試される。絶対値を外す際に場合分けの条件を満たすか否か、確認することを忘れないようにしたい。

[2](集合と命題)
2つの自然数の偶奇に基づく条件に関し、必要条件・十分条件の判定を行う問題である。比較的平易な出題であり、pの否定を正しく書き出しておけば難しくない。

[3](2次関数)
文字の定数を含む方程式で表された2次関数のグラフに関する問題。(1)では頂点を求め、(2)では与えられた条件から定数a,bを決定し、そのときのグラフの平行移動を考える問題である。計算ミスにさえ注意すれば平易である。

【第2問】 図形と計量・データの分析
[1](図形と計量)
三角形が与えられ、それぞれの角の三角比や辺の長さ、面積を求める問題。前半の計算の結果から、点同士の位置関係を正しく理解し、図示することが後半を解ききるポイント。

[2](データの分析)
ソメイヨシノの開花日、モンシロチョウやツバメの初見日についての分析結果に関する問題。箱ひげ図やヒストグラム、散布図の基本的な見方を理解していることが大切である。また、後半は変数の変換に伴う平均値や標準偏差の変化に関する理解が求められる。

【第3問】 場合の数と確率 (選択問題)
最初にさいころを1回投げて出た目によって赤い袋か白い袋を選び、その中から球を取り出すときの確率の問題である。2回目以降は、最後に取り出された球の色による確率計算になる。結果が煩雑なので、丁寧に計算を行う必要がある。

【第4問】 整数の性質 (選択問題)
一次不定方程式の整数解を求める問題からスタートし、最終的には連続する3つの自然数の積が6762の倍数となるための条件を考える問題。誘導は丁寧だが、最後の設問につながる意図に気づかなければ解きにくいかもしれない。

【第5問】 図形の性質 (選択問題)
三角形とその内接円に関する問題である。第5問としては珍しくsinやcosの値が与えられており、それにより面積計算などを行う。しかし、問題としては頻出タイプであり、図を丁寧に描いて考えることができれば標準的である。点Qが円と三角形の接点に一致することに気づきたい。