×

「未来の職業研究」サイトをご覧のみなさまへ

「未来の職業研究」サイトを欄になる前に、みなさまと一緒に「働くとは何か?」について考えてみたいと思います。

はじめに「働くとは何か?」について考える

将来の夢の実現のために努力しよう

何のために勉強するのか?

皆さんは何のために勉強しているのでしょうか。

「いい大学に入りたいから」「大学で勉強したいことがあるから」、あるいは「親に『勉強しろ』『○○大学に入れ』と言われているから」といった理由もあるかもしれません。

どんな理由にせよ、皆さんが勉強している理由は、「将来のため」という一言に集約されるのではないでしょうか。将来のために今、頑張って勉強しているのだと思います。

地球上に生きているたくさんの生物の中で、未来を想像することができるのは人間だけかもしれません。私たち人間は、将来を想像し、「あんなふうになりたい」というあこがれを(あるいは「あんなふうにはなりたくない」という危機感を)持つことができます。そして未来のために、今なすべきことをなすことができます。

現在の欲望を満たすために未来を犠牲にしてしまう人がいる一方で、私たちは未来のために「今」という貴重な時間を大切に生きることもできます。

好きなことを仕事にしよう

将来を思い描くとき、そのイメージと切り離せないものがあります。「職業」です。学校を卒業して社会人になると、働く時間が生活の大部分を占めます。「どんな職業に就くか」は、将来のイメージと切り離せません。

皆さんはどんな将来をイメージするでしょうか。

「自分の親と同じように会社員になる」「安定している公務員がいいな」「漠然と研究者に憧れる」「起業して経営者になりたい」など人それぞれに色々なイメージが湧くでしょう。どんな将来像であれ、「好きなことを仕事にしている」のがいいですよね。会社員といっても、マーケティング・財務・研究開発など様々な専門分野の仕事に分かれます。起業して経営者になる場合も、どんな事業を展開するのかが大事です。たとえ経営者になることができても、興味の湧かない事業を展開しているのであれば、喜びは大きくないでしょう。

社会に出たら、平日の毎日8時間程度を労働に費やす日々が40年ほど続きます。やりたくない仕事を嫌々続けるとしたら、苦痛の多い人生になりそうですね。一方、就きたい職業に就き、好きなことを仕事にできるなら、いきいきとした人生を歩めそうです。

夢があるから努力できる

ところで、大事なときに頑張れる人と、頑張りがきかない人がいます。その違いは何でしょうか。性格・体力・精神力などいくつかの要素が考えられます。その要素のうちの重要な1つとして、「目標があるかどうか」が挙げられます。

目標がない人は、誘惑に弱く、頑張りがききません。一方、目標がある人は集中力や粘り強さがあり、大事な場面で底力を発揮します。そして目標が大きいほど、頑張るエネルギーも大きくなります。

大きな目標や夢があれば、「やりたくないけど、頑張る」のではなく、「なしとげたいから、頑張る」ことができます。目標や夢があるから、人は努力できるのです。「将来、こんな仕事をして、こんな暮らしがしたい」という夢を持てば、「みんなが勉強しているから」「親が勉強しろと言うから」ではなく、夢に向かうエネルギーで「自分のために勉強を頑張る」ことができます。

ただし、志望校に合格することはゴールではありません。大学に入ることがゴールなら、その後は目標がなくなってしまいます。大学合格は将来の夢へと続く道のワンコーナーに過ぎません。10年先、20年先の自分をイメージしてみましょう。そして将来、「こうなりたい」「こんなことをなしとげたい」という大きな夢を描きましょう。

夢を持てば、受験勉強も頑張れます。大学に入ってからも夢に向かって努力を続け、仲間を作り、様々な経験を通じて自分を磨くことができます。

夢を見つけるための本

皆さんには、夢はありますか?

夢がある人は、夢に向かって、大切な「今」を全力で駆けてください。夢と呼べるほど大きな目標がない人、志望校に入った先の目標が見つかっていない人は、これから夢を見つけてください。

このサイトは、皆さんが夢を見つけるためのサイトです。この本には多くの職業が紹介されています。皆さんが知らなかった職業や考えたこともなかった職業、「面白そう!」「やってみたい!」と思える職業がきっと見つかるでしょう。

この本で世界を広げましょう。

そして、10年先、20年先の自分に思いをめぐらし、目標を、夢を見つけましょう。

あなたが仕事に求めるものとは?

皆さんは、働くことや仕事に対してどのように考え、また働くことに対してどのような希望を持っていますか?下のチャートから考えてみましょう。STARTから始めて、YES・NOでチャートを進んでいってください。左端に書かれているのが、皆さんが仕事に求めるものです。

何のために働くのか考えよう

助け合って生きている

皆さんが仕事に求めるものは何ですか?

「夢をかなえたい」という人は、その夢の実現の中、応援してくれる人のサポートに助けられることも多いでしょう。1人で夢を実現することはできません。夢を実現したときに、共に喜んでくれる人の存在があれば、感動も大きくなります。

「億万長者になりたい」という人は、どうすればたくさんのお金を得られるでしょうか。お金のことだけを考えていては、きっとお金持ちにはなれません。なぜなら、お金は他者に何かを提供した報酬として得られるものだからです。報酬に値する高度な知識や技術を提供し、それに対価を払ってくれる人たちがいてこそ、お金を得ることができるのです。

「安定・堅実に暮らしたい」という人も、安定だけを求めていては、安定を得ることはできません。人生には、失恋や就職や転職など、さまざまな出来事が起きます。安定した暮らしを保つには、大変なときに支えてくれる人がいてくれることや、収入を安定させるスキルや人脈も必要です。

どんな目標を持ち、何を大事にして生きていくにせよ、私たちはたくさんの人たちと関わり合いながら、支え合って生きていくことになります。

働くことは、自分のため、社会のため

「働く」ことには、大きく分けると2つの側面があります。

1つは、自分の楽しみや生きがい、夢の実現といった側面です。そして、もう1つの側面は、「社会貢献」です。

ある人のした仕事は、必ず他の人の役に立っています。例えば、私たちがレストランに行くときも、電車の安全な運行を支えている鉄道会社の人たち、米や野菜を育てている農家の人たち、食品を運ぶ運送会社の人たち、レストランの料理人など、多くの人たちの仕事によって、私たちは美味しい食事を楽しむことができます。

1人ひとりの仕事が、目の前の誰か、あるいは遠くの知らない誰かの役に立っていて、その助け合いのネットワークが社会を構成しています。1人で黙々と民芸品を作っているような職人さんも、その作品を買った人たちと見えない糸でつながっています。

このように、仕事を通じて他者とつながり、社会に貢献することは、仕事の面白さや充実感を生む源泉です。事情があって働きたくても働けないという人たちは、「社会から必要とされていないのが辛い」「社会とのつながりがほしい」と痛切に感じるそうです。

人間は高度に社会化された生き物です。私たちは他者との関わり合いとコミュニケーションを求め、交流を楽しみ、協力し合い、共有し合い、たくさんの人々とつながり、社会の一員としての自分の存在を認識することで、生きていることの充実感を得ます。

子どもは、友達と遊んだり、地域活動に参加したりすることで、他者とつながり、社会に参加しています。

一方、大人になると、働くということが、人とつながり、社会に参加することの大部分を占めます。皆さんも近い将来、仕事を通じて生きている手応えを得る立場になります。

利己から利他へ、夢から志へ

個人の夢や生きがいとしての仕事は、「自分の会社を作りたい」「家族を守りたい」など、自分の利益のための仕事です。社会貢献としての仕事は、「困っている人を助けたい」「地域を元気にしたい」など、他者と社会の利益のための仕事です。

自分の利益の追求を「利己」、他者の利益の追求を「利他」といいます。自分の夢や生きがいとしての仕事は「利己」、社会貢献としての仕事は「利他」です。

人間は、社会との関わり合いの中で充足感を得る社会的な生き物ですから、より多くの人の役に立ち、より大きな社会貢献ができるほど、働く喜びも大きくなります。

「お金持ちになりたい」といった利己の行動だけでは大きな喜びは得られないでしょう。夢もまた、自分のことだけを考えた利己的な夢では、たとえ実現できても大きな喜びは得られないでしょう。

最初は小さな夢、利己的な夢で構いません。ただ、そこから視点を上げていくことが大切です。視野を広げて、自分の他に家族・友達・周囲の人々・地域の人々・社会・世界・地球……という具合に、より多くの他者を視界の中に入れていきましょう。そうして、社会貢献につながる利他の大きな夢を描きましょう。利他の大きな夢が描けたとき、「夢」は「志」になります。すなわち、「自分はこんなふうになりたい」という自分中心の夢から、「自分の人生を社会のためにこんなふうに捧げたい」という利他の志が生まれるのです。

利己から利他へ。

夢から志へ。

このサイトで、職業という窓から社会を知り、世界を広げ、志を持った未来の自分を思い描いてください。

どんな働き方を選べばいいか考えよう

「どんな職業を選ぶか」に加えて、「どんな働き方をするか」という選択もあります。会社員・公務員・自営業など、それぞれの働き方に長所と短所、自分に合う点と合わない点があるでしょう。自分に合った働き方を選ぶことも大切です。

「会社員」という仕事

企業という組織の一員として働く働き方です。日本では最も一般的な働き方といえるでしょう。

人が集まって組織を作ると、1人ではできないような大きな事業を展開することが可能になります。組織を作ることにより、社会に対して大きな影響力を発揮できるようになります。組織の仲間とゴールを共有し、協力し合い、目標を実現するという面白さもあります。そうした点が、会社員として働くことの長所といえます。

一方、組織の効率的な運営のために、個人の意見よりもリーダーの意見やチームの総意が優先されます。上司の指示や組織のルールに従う必要もあります。他のメンバーと衝突することもあるでしょう。そうした〝組織のしがらみ〟は、会社員という働き方の短所かもしれません。

一般的に、大企業と呼ばれる規模の大きい会社の方が、給与や福利厚生の待遇面がよく、業績の安定感もあります。一方、小規模の会社には、社員どうしの連帯感や、力を合わせて会社を成長させる楽しみなどがあります。

「公務員」という仕事

文部科学省や総務省などの省庁や都道府県庁、市区町村の役所で働きます。文系職は住民票や戸籍の管理、予算や税金の管理、経理、福祉などの業務を担当します。理系職は、大学・大学院で身につけた専門性をもとに、建築・土木・機械・農学などの分野の業務を担当します。

一般的に、「公務員は生活が安定している」といわれます。公務員には、会社員のように「会社の業績が悪化する」「倒産する」「リストラされる」などの心配がないからです。安定した人生設計を重視する人は、公務員に向いているでしょう。

一方、「公務員は会社員ほど忙しくない」といわれることもありますが、忙しさは担当業務などによって異なり、一概にそうとはいえません。公務員では、定期的に配置転換がありますので、多忙な部署に配属されることもあります。また、経理関係の職種では年度末に多忙になるなど、時期によっても忙しさが変わります。

資格を活かした仕事

資格を取得し、専門職として働く方法もあります。一般的に国家資格に対する評価は高く、就職先を見つけやすいといわれています。弁護士や医師などの資格職では高収入を期待することもできるでしょう。

「独立して一国一城の主になる」ことが可能な点が、資格職の魅力の1つでしょう。弁護士なら最初は弁護士事務所に、医師なら最初は病院に就職するなど、まず組織に所属して経験を積み、将来の独立を目指す人が多いようです。

一方、会社員や公務員なら配置転換で職種を替えることができますが、資格職では一生、同じ分野の仕事を続けることになります。資格取得にあたっては、自分が本当に一生その仕事をしたいのかを熟慮する必要があるでしょう。

「自営業」「起業」で働く

「家業を継ぐ」「起業して会社を作る」「お店を開く」「フリーランスとして活動する」など、特定の組織に所属しない働き方です。自営業の長所は、自分の判断で物事を決められるという点でしょう。「どのような仕事をするか」「どのような会社(お店)にするか」などを自分で考え、自分で決定し、実行していくことができます。しかし、同時に、その結果に対する責任は自分で負わなくてはなりません。収入の増減も自分の能力と努力次第です。行動力・発想力・技術力・自己管理能力などが総合的に求められます。自営業には自己裁量の面白さと、自己責任の厳しさの両方があります。

海外で働く

海外で働くことにあこがれる人もいるでしょう。海外で働くには、海外に支社を持つ企業や、海外に本社のある外資系企業に就職するのが近道です。もちろん相応の外国語能力が求められます。芸能や芸術の分野では、特技や専門性を活かして海外で活躍する人もいます。日本でお店を開いて成功させ、海外に支店を出す人もいます。

日本とは異なる文化の中で暮らす楽しさがあるでしょう。しかし、最初は刺激的だった異国生活も、慣れてしまえば日常の一部になります。あこがれだけで「海外で働く」ことを続けるのは難しいでしょう。海外のその土地が好きかどうかと同時に、「海外で何をやるのか」を熟慮することが大切です。

「好きなこと」をもとに仕事を考えよう

あなたは何が好きですか?

職業は一般的に、製造業・建設業・運輸業・小売業・金融業・飲食サービス業・農業・漁業・学術研究……などに分類されています。一方、この本では、「どんなことがしたいか」を基準に職業を分類し、章ごとに紹介しています。興味のあることや好きなことを入り口にして、多種多様な職業を知り、将来の自分の働く姿を想像してもらいたいからです。

「自然が好き」という人は「PART6 自然・動植物に関わる仕事がしたい」を開いてみる、「ものづくりがしたい」という人は「PART9 ものづくりに関わる仕事がしたい」から読み始めてみるというふうに、興味のアンテナに引っかかる章を開いてみてください。

ひとことで「自然」「ものづくり」といっても、知らなかった仕事がたくさんあることに気づくでしょう。実際に働いている人のインタビューからは、実際の仕事内容や面白さをイメージできるでしょう。夢を夢で終わらせないために、興味のある職業に就くためのステップも確認しましょう。

色々な仕事に興味を持とう

他の職業分野のパートものぞいてみてください。

「こんな仕事があるのか」という驚きや、「この仕事も面白そうだな」という新たな興味をおぼえることでしょう。頭を柔らかくして選択肢を増やしておいた方が、ベストな選択ができるものです。それに、知らなかったことを知るのは楽しいものです。

見ているページの職業に就いている人の働く姿をイメージしてみましょう。さらに、その人の仕事が私たちの暮らしをどのように支えているのか想像してみると面白いでしょう。それぞれの仕事が誰かのためになっていること、そして、仕事を通じて互いに支え合うことによって社会が成り立っていることを、感じ取れると思います。

皆さんは近い将来、その助け合いの輪の中に参加します。そして、自分の好きなこと、得意なことを仕事に活かして、他の人たちの役に立ち、社会に貢献するのです。

ワクワクしてきませんか?

PAGETOP