気象庁職員

自然に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 天気予報の仕事に興味がある人
  • 防災や地球規模の環境変化に関心がある人
  • 南極観測隊に入りたい人

1.気象庁職員の仕事とは?

気象庁は、気象や地震などを観測する国の機関です。中心機関として東京に気象庁があり、地方支局として札幌・仙台・東京・大阪・福岡・沖縄に管区気象台があります。さらにその下部組織として地方気象台・航空地方気象台・海洋気象台などがあり、気象庁全体で約6000人の職員がいます。

気象庁が行っているのは、大気・降雨・風・波・紫外線などの自然現象の観測とデータ収集・予報です。気象庁だけでなく、民間の気象会社も天気予報などの気象情報を発信していますが、民間業者は気象庁から観測データを購入し、気象庁のデータにもとづいて予報を作成しています。つまり、気象庁の観測・収集するデータが、国内で発信されている気象情報のもとになっているのです。

また、気象庁は防災の情報も収集・提供しています。台風や津波・竜巻に関する情報の収集と発信に加え、地震が発生したときには、震度情報を収集し、発信します。地方自治体に対しては、災害の防止・軽減と二次災害の防止に必要な情報を提供し、国には初動対策のもとになるデータを提供します。

このような業務を行うため、気象庁職員は、おもに観測・予報業務、地震・津波・火山業務、気候・地球環境業務のセクションに分かれ、観測・データ収集・データ解析・情報発信などの仕事を分担しています。また、南極地域の気象観測のため、毎年5名ほどの職員が南極観測隊に派遣されています。

気象庁で気象予報を行っている職員は、「気象予報官」と呼ばれます。「気象予報士」は民間業者が気象業務を行う場合に必要な資格で、気象予報官には気象予報士の資格は必要ありません。気象庁職員のうち、必要な研修を受け、気象予報の関連業務で長年の経験を持つ職員だけが、気象予報官になることができます。

2.気象庁職員の役割・資質とは?

気象庁職員の役割は、気象が国民生活に与える悪影響を最小限にとどめることができるように、24時間体制で正確な気象情報を収集し、発信することです

特に、大雨・台風・地震・津波・火山活動など大きな災害に結びつく可能性のある現象が観測されるときには、監視体制を強化し、正確な情報収集と迅速な情報提供に取り組みます。東日本大震災での活動も記憶に新しいところであり、継続して情報収集と分析が行われています。

また、気象庁職員は、二酸化炭素などの温室効果ガスの観測や地球温暖化の予測なども行い、世界規模の地球環境保全にも貢献しています。そのため、世界気象機関(WMO)の事務局や外国の気象機関へ派遣されることもあり、そこで最先端の気象技術の指導や研究を行っています

3.気象庁職員になるためには?

気象庁職員は国家公務員です。国家公務員試験「総合職」(院卒者・大卒程度)や「一般職」(大卒程度)を受験し合格する必要があります。総合職は将来の気象庁の指導者となる人材で、「工学」及び「数理科学・物理・地球科学」の試験区分から採用されます。一般職は「行政」「物理」「電気・電子・情報」「化学」「資源工学」の試験区分から採用され、全国の地方気象台などに配属されて予報や観測などの業務を担当します。「行政」採用者は総務・人事・会計などの業務に携わります。

 

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POINT

  • 気象現象の観測・データ収集・情報発信をする
  • 国家公務員試験に合格する
  • 気象大学校に入学する道も

関連情報

●気象庁HP様々な気象観測データ図を掲載している。これを見れば、気象庁の仕事のイメージをつかむことができる

オススメの1冊

『気象の仕事─天気予報から宇宙観測まで』(さんば総研著/三修社)気象観測データの作成・災害対策から宇宙観測まで、気象庁の幅広い仕事を紹介している

気象観測は24時間365日。夜勤もあり、お盆や年末年始も当番日は出勤と、ハードな日々が続く

この職業に近づく大学は?
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京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科

1・2年次に数学や物理学の基礎を学び、天文学、地球惑星環境観測学などの各専門分野に発展させる。大学の施設である神山天文台の望遠鏡、最先端の観測装置などの研究環境や、NASA(アメリカ航空宇宙局)などの世界各国の研究者の協力体制も充実。

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駒澤大学 文学部 地理学科

2つの専攻を設置。地域文化研究専攻では野外調査や統計分析、景観観察といった方法で地域の文化や風土などを探究する。地域環境研究専攻では気候や地形、水の循環など地域の環境と人間について多面的に学び、資源利用や災害などの問題について考える。

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日本大学 文理学部 地球科学科

気候変動や自然災害などの地球の諸現象とメカニズムを研究対象とし、地球科学を幅広く学ぶ。富士山周辺で行う2泊3日の野外実習など、本物の体験を通して地球科学の調査法を習得し、地球と人間の未来を見通す力を身につける。

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