CGデザイナー
コンピュータを駆使して画像や映像を作り出す仕事
アニメ・ゲームに関する仕事
INTERVIEW
現役のCGデザイナーに聞きました

バンダイナムコスタディオ
高橋 謙介さん
PROFILE
たかはし けんすけ
多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業
中学時代に仲間と作ったPCゲームで、絵を担当したのが今の仕事に就くきっかけになった高橋さん。
美術大学で磨いた彫刻の技術が、リアルな3Dキャラクター製作につながっています。
人気ゲームの3Dキャラを担当する高橋さんに、ゲームのCGデザイナーの仕事についてうかがいました。
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お仕事の内容は?
現在は、キャラクターのCG製作を担当しています。基本的にはイラストレーターが描いてくる原画を立体のデータへと描き起こしていく作業です。当然イラストは平面ですから、奥行きはどのくらいあればよいのか、肉付きや身長などのボディサイズはどうするか、他のキャラクターと比べてどの程度の大きさにすればバランスが良いか……といったところに注意を払いながら、開発専用のアプリケーションを使って作業していきます。
3Dキャラクター業務で最も難しい部分が、キャラクターそのものの魅力を表現することです。イラストレーターさんの描いた設定画どおりに、ただキャラクターをCGで忠実に再現するだけではいけません。そのキャラクターを特徴づけるイラスト(コンセプトアート)や設定画を下敷きに、常にビジュアルのテイストを意識して作業を進めることが重要です。そして、そのコンセプトからはみ出さずに、どうやって魅力的な3Dキャラクターを作り上げるか。そこがゲームの根本にも関わる大切なところであり、一番難しいところでもあります。
「誰に向けたゲームなのか」を常に意識して作業することも重要です。対象は子どもなのか大人なのか、男性なのか女性なのか、といった想定プレーヤーの属性により、目指すべきキャラクターが大きく違います。そのための資料収集を怠らないよう、日々様々な情報を収集しています。
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このお仕事の醍醐味は?
誰かが話した一言や誰かが描いた絵を見て、「ドキッ!」とする瞬間があります。ミーティング中でも雑談の中でも、これまで自分の頭にかすめもしなかった世界観・表現・アイディアに触れたときには、「すごい!」と思うと共に「負けていられない」とワクワクしてきます。
そういう機会が多いのは、ゲームを作る作業が黙々と孤独な作業ではなく、色々な感性を持った人たちが集まり、議論を交わしながらチームで作業しているからです。互いに刺激し合うこの環境が、私にとっては仕事の醍醐味・「楽しさ」の1つになっています。
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CGデザイナーを目指す人にアドバイス
ゲームの知識が豊富でも、それらは既存のゲームのお話に過ぎません。新しい表現やアイディアを生み出すためには、美術館・映画・演劇など、色々なものを見聞きして、常に感性を磨いておくことが大切です。
また、自分は何が好きなのかを知ることも重要です。その手助けとして、気に入った新聞広告や雑誌の切り抜きをスクラップするのがおすすめです。そして時々、スクラップブックをめくってみてください。色・構図・デザインなど共通点を発見できます。こうして少しずつ自分の好みを見つけ、そこからオリジナルの表現を見つけ出してください。
ある日の高橋さん
9:45
出社。メールチェックなど
10:30
写真集・画集・書籍・雑誌・ネット記事などから資料収集。3Dデータの製作開始
12:00
昼食
13:00
定例ミーティング。作業の進捗報告やスケジュール調整など
16:00
新規製作アイテムの打ち合わせなどに対しても細かいオーダーがある
17:30
作成データをチェック
18:30
休憩。ゆっくりと目を休める
19:00
データ修正・製作作業を続ける。区切りのよいところで退勤
