第１問　地理の基礎的事項
過去４年と同様に世界地図を用いた問題で、小縮尺図の読み取り・自然環境・生活文化・土地利用などに関する総合雑題となっている。いずれも基本的な理解があれば正解できるだろう。問３は赤道の位置が決め手。問８の土地利用割合に関する問題は、センター試験頻出の統計であり、2000年地理Ｂ本試験第２問問５でも同様の出題がみられる。問７のような写真を用いた問題も地理Ａでは頻出なので、十分な対策が求められる。

第２問　地域調査（山形県最上地域）
昨年に引き続き、地域調査に関する大問が第２問に置かれた。2006年以降、大問の一部（本年は問１から問６まで）が地理Ｂとの共通問題になっている。問３・６のように地理的な知識と関わりなく解答可能な設問もある一方、地形図の読み取りに関する問４・５はやや時間のかかる問題であった。大問全体としてはやや易のレベルであった。

第３問　国境を越えた世界の結びつき
昨年と同じく、日本を中心とした貿易・人口移動・産業の国際化など、地理Ａ頻出の国家・地域間の結合に関する出題であった。問１・３・４はいずれも判定に必要な基礎知識の有無がポイント。問５・７は統計の読み取り・判断にやや時間を要したかもしれない。難易度は標準レベルの大問であった。

第４問　太平洋地域の自然環境、生活・文化
太平洋とその沿岸の自然環境や生活・文化に関する出題であった。問１・２の自然環境に関する設問はいずれも易しい。問３は地理Ａ特有の写真を用いた出題であり、世界地誌的な知識を前提にしている。問５・６は誤文の誤りがはっきりしているので易しい。問７は落ち着いて判断したい。日本の判定がカギになる。

第５問　地球的課題
環境問題や食料問題を中心とする出題であった。問１ではイとウの判別が難しい。中国などの新興工業国に注目する。問２は統計の読み取り自体に時間がかかるだろう。問３のグラフ判定も難しい。問５では選択肢２の「隣国」の語で少し迷う。問７では歴史的背景も問われている。全体としてはやや難の大問であった。