生物I
全体概観

大問数は変化なし、小問数はやや減少。全体的に標準的な問題が多く、難易度は昨年度より易しい。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数は昨年度と同じ5題であり、設問数は昨年度と同様25問、マーク数は昨年よりも1つ多い29マークであった。問題形式は昨年度と変化はなかった。知識問題は、生物Iの教科書の内容を押さえておけば容易に解けるものが多いが、やや細かい知識が要求されているものもある。また、図・グラフなどを用いたデータ考察問題が減少したので、時間に余裕のある受験生が多かったと思われる。考察問題も、データを選択肢と照らし合わせれば正答にいきつく問題がほとんどであり、第5問が易しくなったため、全体として難易度はやや易しめであると思われる。知識問題は全体に平易であり、昨年度のように細かい知識が要求される問題が減少したことから、平均点は昨年度よりも高くなると思われる。第2問の問6は、2001年度のセンター試験追試験 第3問 問3・4とほぼ同じ内容であり、過去10年分の過去問演習をしていれば容易に解答できたと思われる。

 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2010

第1問

細胞

4

5

20

第2問

生殖と発生

6

6

20

第3問

遺伝

6

7

20

第4問

環境と動物の反応

5

7

20

第5問

環境と植物の反応

4

4

20

2009

第1問

細胞

4

7

20

第2問

生殖と発生

5

5

20

第3問

遺伝

6

6

20

第4問

環境と動物の反応

6

6

20

第5問

環境と植物の反応

4

4

20

2008

第1問

細胞

4

8

20

第2問

生殖と発生

6

6

20

第3問

遺伝

5

6

20

第4問

動物の脳と効果器、体液の循環

6

6

20

第5問

植物の成長と環境要因

6

6

20

2007

第1問

細胞

6

7

20

第2問

ウニ・カエルの発生・植物の生殖

6

6

20

第3問

複対立遺伝子・胚乳形質の遺伝

6

7

20

第4問

神経と動物の反応

5

5

20

第5問

植物ホルモン

5

5

20


過去の平均点の推移
2009 2008 2007 2006
55.85点 57.64点 67.04点 69.60点

設問別分析
【第1問】細胞・組織・器官(細胞分画法) 
細胞・組織・器官の構造や機能に関する基本的な知識問題と実験考察問題である。
問1〜問3は実験考察問題であるが、実験1の細胞分画法は知らなくても、設問文のキーワードから、細胞壁、核、ミトコンドリアを連想すれば容易に解答できる。問4は広範囲にわたるやや細かい知識が要求される。

【第2問】生殖と発生(植物の減数分裂、両生類の誘導)
Aは植物の減数分裂に関する実験考察問題、Bは両生類の発生における誘導現象に関する知識問題である。
問1・問2は実験考察問題であるが、図1と選択肢と照らし合わせていけば解ける。問3は標準的な知識問題である。問4〜問6は、両生類の形成体と誘導の関係に関する基本的な知識問題である。

【第3問】遺伝(補足遺伝、遺伝子の本体)
Aは補足遺伝子が関わる二遺伝子雑種の考察問題であり、Bは遺伝子の本体に関する基本的な知識問題である。
問1〜問3は、スイートピーの補足遺伝子と同様のしくみであることがわかれば容易に解答できる。問4〜問6は、形質転換やDNAの構造に関する基本的知識があれば容易に解答できる。

【第4問】環境と動物の反応(感覚と神経・酸素解離曲線)   
Aは感覚と神経に関する基本的な知識問題、Bは酸素解離曲線に関する基本的知識問題とグラフの読みとり問題である。
問1と問2は、神経や感覚に関する基本的な知識問題である。問3は酸素解離曲線に関する基本的な知識問題であり、問4と問5は酸素解離曲線の図1と選択肢を照らし合わせていけば容易に正解にたどり着ける。

【第5問】環境と植物の反応(屈性・オーキシンの性質)
Aは植物の屈性に関する基本的な知識問題、Bはオーキシンと重力屈性に関する実験考察問題である。
問1と問2は屈性に関する基本的な知識問題である。問3と問4はアベナテストとオーキシン濃度の関係を読みとり、重力屈性に関する考察を行わねばならず若干難しいが、選択肢と照らし合わせていけば解答できる問題であり、見かけほど難しくはない。