世界史B
全体概観

出題形式に変化なし。東アジア史が増加。難易度は昨年並み。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

出題形式に大きな変化は見られず、正誤判定問題が中心であるが、全体としてリード文・設問とも中国史を中心とする東アジア関連の問題が目立った。16世紀以前の前近代史からの出題が多く、20世紀後半の現代史に関する設問は少なかった。第1問の中国歴代王朝の都に関する問題は地図を用いたユニークな設問となった。また、昨年は出題されなった年表を用いた設問が復活した。4択式の正誤判定問題では、問われている事項は教科書レベルの基本的な知識であるものの、選択肢内に複数の時代・地域に関する記述が混在しており、同一の時代やテーマに関する世界各地の動向を丁寧に整理する学習を続けてきたかどうかが成否を分けたものと思われる。全体として、平均点は昨年並みと予想される。

 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2010

第1問

世界史上の都市

9

9

25

第2問

世界史上の貨幣

9

9

25

第3問

海運について

9

9

25

第4問

民衆の不満や抵抗について

9

9

25

2009

第1問

生業と労働の歴史

9

9

25

第2問

世界史における学校・教育

9

9

25

第3問

信仰や宗教について

9

9

25

第4問

移動と移住について

9

9

25

2008

第1問

ユーラシア大陸

9

9

25

第2問

島や群島について

9

9

25

第3問

歴史上の敗者や英雄の末路

9

9

25

第4問

衣服に関わる歴史

9

9

25

2007

第1問

聖地への巡礼

9

9

25

第2問

人間と家畜との関係

9

9

25

第3問

国家の神話や象徴、理念  

9

9

25

第4問

同盟や結社の形

9

9

25


過去の平均点の推移
2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000
62.7点 58.98点 67.75点 66.25点 63.16点 61.47点 56.53点 59.88点 61.67点 64.62点
1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990
64.13点 65.50点 68.35点 64.62点 63.52点 63.76点 65.71点 71.37点 72.45点 64.54点

設問別分析
第1問 世界史上の都市
中国歴代王朝の都、漢城(漢陽・ソウル)、マンチェスターの3都市を取り上げて、政治・経済・文化に関する知識を問う問題。中国歴代王朝の都については、5つの都市の位置を示した地図を用いて考えさせるユニークなもの。ただし、問われている内容のほとんどは基本事項である。

第2問 世界史上の貨幣
アジア・ヨーロッパ・ラテンアメリカ・アフリカなど、多様な地域における貨幣をめぐる歴史的出来事を問う問題。地図問題はフィレンツェの位置を選ばせるもの。全体的に、選択肢内に複数の時代・地域に関する記述が混在しており、世界史を「横に見る」学習の有無が成否を分けたものと思われる。

第3問 海運について
世界史上の海運にかかわる出来事について、東南アジア、西アジア、ヨーロッパの動向を問う問題。選択肢の中には一部教科書レベルをはずれた記述も散見するが、いずれも「消去法」で対応できる。

第4問 民衆の不満や抵抗について
西欧・東欧・ロシア・中国における民衆反乱を取り上げ、おもに政治史の知識を問う問題。昨年は出題されなかった年表を用いて時期を判定させる問題は、20世紀の東欧・ロシアに関するもの。他の設問も含めて、ほとんどは基本事項に属する。