大学入試センター試験

《化学基礎》 設問別分析


 
第1問
問1 与えられた数字から、電子、陽子、中性子の数、および質量数を考える問題であり、平易である。

問2 分離操作に関する問題。操作の名称とその仕組みがきちんと整理できていれば正解できる。 

問3 合金中のニッケルNiの含有率を計算する問題。得られた酸化ニッケル(U)NiOの物質量と合金中のNiの物質量が等しいことに気づけたかがポイントである。

問4 不純物(塩化水素HClと水蒸気)を含む塩素Cl2を精製する実験に関する問題。揮発性の液体である水を入れたガラス容器は、濃硫酸を入れたガラス容器の前に設置する必要があることが分かったかがポイントである。

問5 元素および原子の性質に関する記述の正誤問題。「イオン化エネルギーとはどのようなエネルギーか」をきちんと理解できていれば正解できる。

問6 分子やイオンがもつ共有電子対、非共有電子対の数に関する記述の正誤問題。各分子やイオンの電子式を書くことができたかがポイントである。

問7 イオンからなる身のまわりの物質に関する問題。どれもイオンからなる物質の代表的な例であり、普段から身のまわりのものと関連付けることを意識して学習を進めてきた受験者にとっては難しくない。


第2問
問1 物質の量に関する記述の正誤問題。選択肢2と3は、それぞれClと水素原子の物質量を求める必要がある。選択肢1は、COとN2の分子量がともに28で、NOの分子量が30であることから判断できる。また、選択肢4は、炭素(黒鉛)の完全燃焼における化学反応式を書くことで判断できる。

問2 グラフをもとに、加えた塩酸の体積と発生した水素の体積(0 ℃、1.013×105 Pa)を求める問題。解答する際に、亜鉛Znと塩酸の反応の化学反応式を書く必要がある。なお、このようなグラフに関する計算問題は、過去にも類似の出題が見られるもので、あまり時間をかけずに解答したい。

問3 酸と塩基の中和反応で得られた正塩の水溶液の性質を判断する問題。酸Aと塩基Bの強弱がきちんと整理できていたかがポイントである。

問4 中和滴定に関する記述の正誤問題。選択肢1以外は、正誤の判定に計算を要するため、解答に時間がかかる。

問5 実験の安全に関する記述の正誤問題。どれも正しいような記述であり、戸惑った受験者が多かったと思われる。実験操作の知識が必要だったが、多くの受験者にとって盲点であったのではないだろうか。

問6 酸化と還元に関する記述の正誤問題。下線が引かれた部分に注目し、各原子の酸化数の変化を正しく考えられれば正解できる。