大学入試センター試験

《地理A》 設問別分析



【第1問】地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災

例年同様に、図や写真などを多用して基礎的な知識を問う総合問題である。A・B2つの分野を組み合わせており、全体として標準的な大問である。

問1 時差計算に関する文章の空欄補充組み合わせ。方位に注意。
問2 4地点の土壌を説明する文章の判別。J付近はチェルノーゼム。
問3 4地点の季節別降水量グラフの判別。ケ付近は南半球のサバナ気候。
問4 3地点のプレート境界に関する説明文の判別組み合わせ。海嶺と海溝の区別がポイント。
問5 4地点の景観写真の判別。チはタワーカルストの桂林(コイリン)。
問6 自然災害に対する備えに関する文章の正誤判定組み合わせ。常識問題。
問7 日本各地の気象に関する統計地図の判別組み合わせ。ラとルの判別が鍵。
問8 新旧地図による変化や予測に関する説明文の判別。複雑に見えて単純。

【第2問】世界の生活・文化

4年続けて同じ分野からの出題であった。標準的な知識を活用することで高得点を目指したい。

問1 3作物の供給量に関する統計地図の判別組み合わせ。ライ麦は寒冷地。
問2 4カ国の品目別食料供給に関するグラフ判別。熱帯アフリカは芋類。
問3 各国の民族や宗教に関する説明文の正誤判定。Cは昨年のW杯で見た?
問4 3カ国の使用言語に関する表の判別。いずれも頻出の多言語国家。
問5 異なる宗教を信仰する隣国ペアの選択。ヒンドゥー教とイスラーム。
問6 日本の都市と姉妹都市提携する4都市の説明文判別。嘘は饒舌になる。
問7 世界遺産に関する文章の空欄補充組み合わせ。ダージリンは紅茶の銘柄。

【第3問】ヨーロッパ地誌

「新大陸」からの出題が3年続いていたが、本年は2006年以来のヨーロッパが取り上げられた。やや細かい地誌の知識が必要となる。

問1 4地点の地形に関する説明文の正誤判定。スカンディナビア山脈は古期。
問2 4地点の雨温図判別。イは年中偏西風の影響下にある西岸海洋性気候区。
問3 食文化・農業生産に関する説明文の正誤判定。夏は高地が過ごしやすい。
問4 4カ国の発電源割合グラフにおける発電源の判別。全て特徴のある国。
問5 4カ国の賃金水準と乗用車生産との相関・変化の統計判別。面白い1題。
問6 住民がカトリックを信仰する国の選択。ラテン系民族。単純な設問。
問7 4都市の水辺の景観写真の判別。ドックランズの再開発は頻出事項。

【第4問】世界の結びつきと地球的課題

3年続けて「地球的課題」と「世界の結びつき」との組み合わせで出題された。6問中5問が統計の判定であり、時間をかけて丁寧に解きたい。

問1 4空港に関する統計データの判別。韓国は国土が小さいので・・・。
問2 4カ国間の訪問客数を示す流線図における国名判別組み合わせ。米英の関係の深さが決め手。
問3 経済水準と送金受取額に関する相関図の判別。貧国は出稼ぎ者が多い。
問4 3指標の統計地図の判別組み合わせ。カ・キの判断を丁寧にしたい。
問5 プラスチックごみの排出量グラフの判別。AとBの判別がポイント。
問6 世界の環境問題への取り組みに関する文章の正誤判定。用語に注意。

【第5問】地域調査(山梨県甲府盆地周辺)

例年通り地理A(第5問)との共通問題である。会話文形式の出題が定着した一方で、3年続いて新旧地形図の比較が出題されなかった。全体として、常識で対応できる取り組みやすい問題が並んでおり、取りこぼしは避けたい。

問1 3地点の気候に関する資料の判別組み合わせ。頻出の内容・形式。
問2 鳥瞰図における方位選択。特別な知識は不要で、きわめて易しい。
問3 地形図中の土地利用に関する説明文の正誤判定。4つとも決めれば楽。
問4 養蚕業に関する資料に関する会話文の適語補充。常識で判断可能。
問5 小売店の分布を示す統計地図に関する説明文の正誤判定。読めば分かる。
問6 人口統計に関する説明文の正誤判定。人口増加=社会増加+自然増加。