大学入試センター試験解答速報2008
数学I・数学A
全体概観

計算量は標準的。昨年より易化 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

選択問題なしの大問4題の構成は昨年度と変化がなかった。また、各大問の分野構成も昨年と同じ。第1問後半で、昨年に続き、集合が題材として扱われている。各大問の配点は昨年と変わりない。計算量が昨年より大幅に減った分、時間的にも余裕を持って取り組めたと思われる。総じて、昨年より易化したといえる。

【出題フレーム】

 

大問

出題分野

配点

2008

第1問

方程式と不等式・2次関数

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25

2007

第1問

方程式と不等式

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25

2006

第1問

方程式と不等式

25

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

25

第4問

場合の数と確率

25

2005

第1問

2次関数

40

確率

第2問

数と式

40

三角比

第3問

数列(1問選択)

20

第4問

平面幾何(1問選択)

20

第5問

コンピュータ(1問選択)

20

2004

第1問

2次関数

40

確率

第2問

数と式

40

三角比

第3問

数列(1問選択)

20

第4問

平面幾何(1問選択)

20

第5問

コンピュータ(1問選択)

20


過去18年間の平均点
2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999
54.06点 62.36点 69.43点 70.17点 61.17点 63.78点 64.87点 73.68点 50.71点
1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990
63.45点 66.40点 51.54点 56.41点 56.80点 69.14点 56.93点 50.72点 73.37点

設問別分析
第1問  方程式と不等式・2次関数、集合と論理    
[1](方程式と不等式・2次関数)
台形・三角形の面積を求める問題で、2次式が現れる。決して難しい内容ではないが、形式の変化に戸惑ったかもしれない。

[2](集合と論理)
必要十分条件の問題で、最近は頻出である。条件を満たすm、nの組をいくつか書き出してみて、集合としての包含関係を見てやればよい。しかし間違いやすいであろう。

第2問  2次関数   
2次関数の問題で、例によって頂点や軸、一定区間における最大値・最小値を求める問題である。初めの頂点を求める部分で式変形が面倒ではあるが、それ以降はつまるところもなく完答し易いだろう。

第3問  図形と計量、平面図形   
昨年同様平面図形からの出題で、正弦定理や余弦定理、円に関する基本的な性質を問う問題で、教科書レベルの内容がきちんと理解できていれば十分取り組めたと思われる。後半の計量問題も誘導が親切で、全体的な計算量も標準的なので、昨年より易化したと言えよう。

第4問  場合の数と確率    
さいころの出た目に応じて3通りの文字列の作り方を考察する問題。解法に工夫をする余地はあるものの、単純に表に書き出してもさほど時間的なロスは無いので、落とし穴が多くあった昨年の問題よりは取り組みやすかったと思われる。
新高3生へのアドバイス
毎年難易度の変化があるセンター数I・Aですが、難度に関わらず高得点の争いとなると考えて準備していく必要があります。
数学I・Aは、高校数学の土台ともいうべき分野なので、センター試験においても基本の理解を問う出題が多くなっています。ですから、まず基本を確実に理解して学習を進めていくことが必須です。
学習の順序として、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」ことや「図やグラフを描いて考えること」などといったことを地道に積み重ねることによって、基本を確固たるものにしましょう。
また、解法の暗記に頼るのではなく、きちんと理解して先に進むような勉強を心がけましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。理解して先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出ても役立つ本当の力をつけることができます。
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