政治・経済
新高3生へのアドバイス
◆教科書とニュースを繋げる力を
センター試験・政治経済は原則として教科書の水準から出題されますが、教科書そのままの知識では対処できない高度な応用を要求する問題が出されることもあります。このような問題に対処するためには普段から政治的・経済的なセンスを養っておく必要がありますが、ただ漠然と新聞・テレビの時事問題にアンテナをはるだけでは不十分です。テストが要求する事項の範囲と水準を確認するためには、定期的に模試を受けて現実の社会事象と教科書・模試との関連性を掴んでおきましょう。それによって、理解の不十分な箇所を確認できますし、またニュースを見ても教科書に直結する事項や語句を発見でき、新たな意欲も出てくるのです。
第2学年までにすでに政治経済か現代社会を履修した人は、教科書の脚注に書いてあった詳細な説明があらためてメディアに紹介され、教科書を再確認したことも幾度かあったことでしょう。また、これから新3年になって政治経済を履修する人は、授業が進むたびにニュースへの理解度が深まり、社会への視野が広まっていくのを自覚するでしょう。時事対策としては『現代社会の最新時事(2010〜11年版)』を一読すると良いでしょう。入試で扱われる時事がどのようなものかがわかります。

◆基礎を大切に
基礎知識が不足してきつく感じる場合は、現代社会の倫理部門を除いた勉強も有益です。現代社会は社会事象を広く・浅く捉えた総合的な問題が多いですが、政治経済分野の基礎的知識は必須のもので、また、政治経済の出題も最近は現代社会的な総合問題の傾向も見られるのです。現代社会で基礎を確認して政治経済に入るのも良い方法と思います。
公民科は英語と同じで、基礎的な語句を理解していないと出題文が理解しにくいこともあり、『政経ハンドブック』(東進ブックス)などで事項の概念を再確認することをお勧めします。単なる丸暗記の部分は少なく、理解し現実に結びつけるのが政治経済の勉強なのです。
さらに経済分野では理論と計算問題があり、文系志望の生徒を驚かせます。しかし、これも出題される傾向は明確なので慣れて身につければ心配はありません。
新高2生へのアドバイス
◆公民科の三科目
これから2年生になる人は、公民科(政治経済・倫理・現代社会)それぞれの範囲と違いを理解しているでしょうか?中学校では地理・歴史・公民と明確な意識はなく学んできたでしょうが、地歴科と分離した公民科も政治経済・倫理・現代社会に区分されます。政治経済は中学校3年で学習した公民の範囲を深く学ぶものですが、倫理は思想・哲学・宗教・文化・慣習など人間の内面的な問題を扱う分野で、おそらく初めて遭遇する学問でしょう。現代社会はもともと広い視野から統一的に社会を見るために作られた科目です。簡単にいえば政治経済と倫理に地歴を少し加えた範囲、という科目なのです。

◆政治経済の特徴
社会現象は時間的広がりの歴史と、空間的広がりの地理を基礎に政治・経済の社会現象が展開され、そこには人間の考え方・主義・主張が根底にあって展開されています。すなわち地歴の知識の基礎の上に政治経済・倫理があるのです。9・11事件は、政治・経済と宗教・文化の衝突でした。現代社会は統一的に社会を見るために作られた科目ですが、現代社会の教科書は大部分が政治経済の基礎的分野と重複した内容です。また政治経済も総合的問題化の傾向を強め、現代社会的になってきています。しかし、現代社会は新聞的なレベルの常識的判断で対処できる問題もありますが、政治経済はそうはいきません。深く専門的な用語を知らなければ解けない問題が多く、とくに経済分野の計算問題は実際に問題を解き慣れておかないと手も足も出ない事態になります。しっかりした対策が必要な反面、勉強した分だけ確実に得点を伸ばせるのが政治経済の特徴です。
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