大学入試センター試験解答速報2012
《地理A》 設問別分析



第1問 地理の基礎的事項
例年と同様に、世界地図や写真などを用いて基礎的な知識を問う総合問題となっている。ただし、さまざまな分野から幅広く出題されてきた例年と比べ、本年の第1問は設問の主題が自然環境や地図情報の利用などに絞られている。大問全体としては基本レベルである。問1の北極圏と北回帰線に関する問題では、普段から地図帳を使って学習することの大切さを思い知らされる。問6の等高線の読み取りに関する問題では、尾根と谷の違いを理解しておいてほしい。

第2問 国境を越えた世界の結びつき
昨年と同じく、世界貿易、人的交流、交通、国際分業など、地理A頻出の国家・地域間の結合に関する出題であった。受験生の苦手とする統計問題が大部分で、大問全体としてはやや難である。問1は日本の木材輸入に関する設問であるが、木材の用途まで含めた理解が求められている。問2の石油輸入先に関する統計の判定は難しい。AとBの判定を慎重に行いたい。問3の貿易品目統計では、「古着」が盲点であった。問4、問5、問7も注意深く判定する必要のある統計問題である。

第3問 中央・南アメリカ
地誌問題はややなじみの薄い地域からの出題であったが、一定の学習を終えた受験生ならば判断しやすい設問が中心で、大問全体としては標準的である。問1は自然環境と人間活動の結びつきに関する問題だが、誤文がはっきりしている。問3の標高帯による先住民の生活については、各作物の特徴を理解していることが前提となる。知識がないとやや迷う所だろう。問4は大衆音楽・ダンスに関するユニークな設問であり、説明文中のヒントも重視したい。問5では人種・民族に関する正確な知識が求められる。


第4問 貧困・社会的不平等にかかわる地球的課題
貧困や社会的不平等の克服にかかわる地球的課題に関する総合問題である。大問全体としてはやや易である。問1のGNI(国民総所得)と平均寿命に関する統計判定問題は、やや判断に迷う。「人口上位8か国」に注意して考えたい。問2の感染症に関する問題も、アとイの判定で迷う所である。問3の教育と乳幼児死亡率に関する統計問題では、表の読み取りに加えて知識も必要である。


第5問 地域調査(静岡県大井川流域)
例年通り地理Bとの共通問題である。全体として標準的な設問であった。問1の写真の位置を判定する問題は常識的に処理できよう。問2の地形図の読図は、基本的な地図記号の知識で判断できる。問3の写真を用いた茶畑に関する問題は、文章の判定を注意深く行う必要がある。問4の新旧地形図の読図は、ごく平易である。問5の自治体ごとの産業別従事者に関する統計問題では、「林業」や「漁業」に目をつければよい。問6の写真、地図、模式図を組み合わせた問題は、扇状地の成り立ちを理解していれば容易である。

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