大学入試センター試験解答速報2012
《世界史B》 設問別分析



第1問 世界史における「死の文化」
東アジア・西アジア・中世ヨーロッパにおける「死の文化」の諸相について述べたリード文を用いて、主として16世紀以前の世界史の出来事について問う問題。古代中国の副葬品の写真からその呼称を答えさせる問題は、近年には見られない傾向ながら、どの教科書にも掲載されている基本的なものである。文化史に関する設問も多く、ルネサンス期の文学の動向を6択の年代整序で問う、やや高度な設問も見受けられた。

第2問 世界史上の国境について
ロシアの東アジア進出、第一次世界大戦後のヨーロッパ、19世紀後半の東アジア・東南アジアにおける国境線や勢力範囲の画定について述べたリード文を用いて、国際政治史に関する知識を中心に問う問題。日本に関連する設問・選択肢も多く、日ソ共同宣言をめぐる動向などやや細かな知識も問われた。

第3問 世界史上の経済政策について
漢代の経済政策、16世紀における銀を介したアジアとヨーロッパとの関係、19世紀以降のヨーロッパにおける自由貿易体制と保護貿易政策を題材に、時代・地域ともにバランスよく世界史上の出来事を問う問題。地図問題では、ポルトガルがアジア交易の拠点とした都市の名(マカオ)とその場所の組合せが問われた。中国の税制(両税法・一条鞭法・地丁銀制)の変遷に関する6択の年代整序列は基本的なもの。

第4問 世界史上の言語について
19世紀末から20世紀初頭の朝鮮、古代から現代までの南アジア、19世紀以降の南アフリカにおける言語状況・言語政策を題材に、主として19世紀以降の近現代史に関する知識を問う問題。南アフリカの言語状況に関するリード文の内容は極めて斬新なもの。東アジアの文字に関する年代整序問題の他に、ムガル帝国の公用語がペルシア語であったことなど、教科書を注意深く読んでいないと正解にたどり着けない選択肢も見られた。

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