大学入試センター試験解答速報2013
《現代社会》 設問別分析



【第1問】農産物
2012年第1問と同様に食糧を切り口とした内容だが、会話文方式で農村問題や食糧問題、環境問題を中心に「現代社会」的な幅広い出題がなされた。その中で出題された問3の比較生産費説は2008年本試験第2問以来となる。問6の外部不経済も経済分野の理論的事項からの出題であるように、確実な理論的事項の理解が必要となっている。問8の「現代社会」特有の課題追究学習の出題は事前に慣れていれば解ける内容であった。

【第2問】金融
経済分野からの出題であるが、日本の財政を中心に消費者問題、景気変動、金融機関などについてまんべんなく出題されており、受験生にとって選択肢の吟味に困る設問が相当数多かったことが推測される。対外収支に関する問4で国際取引の分類が問われているなど、国際経済分野で幅広さと正確な理解が出来ているかどうかが問われている。

【第3問】政治制度
8問ある大問であるが、問1・問5以外は日本の政治制度に関する出題であり、当該分野の中で細かく出題されているため、この分野で理論的事項の理解が徹底しているかどうかが問われる内容となっている。問5の日本の安全保障・防衛政策に関する出題では日米地位協定の内容や思いやり予算についても取り上げられており、正確な知識が求められている。

【第4問】消費と雇用
現代社会に必須のインフラとなっているコンビニを切り口とした出題だが、日本経済史的内容が多く、理論的学習をしきれていない受験生には難しい出題であった。また問3のグラフ問題は知識は不要だが設問の設定条件を正確に理解したうえでの分析が必要となっており、時間を取られる受験生が多かったことが推測される。最後の問5は倫理分野からの出題となっているが、確実に得点したい設問であった。

【第5問】青年期
リード文の内容からは倫理分野の出題に見えるが、倫理分野の設問は3問(うち1問はグラフ読解問題)であり、残りは教育政策と地域振興に関する出題であった。問3の資料読解問題は読むだけで解答できた。この大問は得点源にできるレベルであるが、問2でも学習指導要領について問われているように、教科書レベルの事項だけでは全部の判断はできない内容も含まれている。

【第6問】国際問題
2012年は日本国憲法をベースにした人権についての出題であったが、今回は国際問題としての人権という切り口の出題であった。国際組織について尋ねている問5のように、確実な知識がないと選択しきれない出題となっている。

大学入試センター試験解答速報2013
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