大学入試センター試験解答速報2013
《国語》 全体概観


現代文の出来がカギを握る問題であった。古文・漢文は例年並み。

大問数
減少 | 変化なし | 増加 
設問数
減少 | 変化なし | 増加 
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数4題、各大問の配点50点。解答数は1つ増えて37になった。
例年「評論文」が出典になっていた第1問の現代文だが、今年度は小林秀雄の文章で、「随筆」といえるもの。内容も太刀の「鐔」を題材に、小林秀雄が考察していくさまを綴ったものだけに、受験生としては読み取るのが難しかったはずだ。本文に根拠の薄い設問が多く、また、問4や問5は文学的表現や随筆的な心情を問う問題であり、戸惑った人も多かったのではないか。第2問の「小説文」は牧野信一の小説「地球儀」の全文が出典。内容的には、父や母に対する「私」のアンビバレントな感情を描いた私小説といえるもの。受験生としては、主人公のおかれた立場を理解し、心情を的確にとらえるのはやや難しい文章であった。本文読解もさることながら、選択肢をどこまで精査できるかが勝負の鍵を握るところとなったはずだ。「古文」は主語を正しく捉えて読むことが難しく、選択肢が長い問5、問6では本文との照合がやっかいである。出典・出題形式はここ数年の平均なものであった。「漢文」はマーク数は変わらないが、設問数が8問に増え、返り点と書き下し、書き下しと解釈と、組み合わせ問題が2つになり、負担感が増している。問1の4年連続の意味の問題は熟語の問題になった。
国語全体としては、難化。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2013

第1問

評論:小林秀雄「鐔」

6

11

50

第2問

小説:牧野信一「地球儀」

6

9

50

第3問

古文:『松陰中納言物語』

6

8

50

第4問

漢文:張耒『張耒集』

8

9

50

2012

第1問

評論:木村敏「境界としての自己」

6

10

50

第2問

小説:井伏鱒二「たま虫を見る」

6

9

50

第3問

古文:『真葛がはら』

6

8

50

第4問

漢文:孫宗鑑『西よ(「余」の下に「田」)瑣録』

7

9

50

2011

第1問

評論:鷲田清一「身ぶりの消失」

6

11

50

第2問

小説:加藤幸子「海辺暮らし」

6

9

50

第3問

古文:『保元物語』

6

8

50

第4問

漢文: 黄溍『金華黄先生文集』

6

9

50

2010

第1問

評論:岩井克人「資本主義と『人間』」

6

11

50

第2問

小説:中沢けい「楽隊のうさぎ」

6

9

50

第3問

『恋路ゆかしき大将』

6

8

50

第4問

『野鴻詩的』(黄子雲)

6

8

50


過去の平均点の推移

                 
2012 2011 2010 2009 2008
117.95点 111.29点 107.62点 115.46点 121.64点
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