《世界史A》 設問別分析
第1問 世界史上の王朝交替と革命
Aは古代の中国、Bは17〜18世紀の西欧、Cは19〜20世紀のラテンアメリカにおける王朝交替や革命について述べたリード文をもとに、古代から現代までの歴史的出来事を問う問題。19世紀以降の近現代史に関連する設問が多く、イギリスの勢力圏、南アフリカ、東欧、東南アジアの戦後史からの出題もあった。図版を用いた本年度唯一の設問はリード文との関連が薄かったため、問題の設定に違和感を感じて戸惑った受験生も多かったのではないか。
第2問 世界史上の情報・通信・交通
Aはロシアとモンゴル帝国の駅伝制、Bは19世紀の朝鮮における新聞発行、Cは伝書鳩の歴史的役割について述べたリード文をもとに、古代から現代までの歴史的出来事を問う問題。電信、電話、ラジオ、インターネットなど、現代に直接つながる通信技術のほか、人類と動物とのかかわりという観点からクローン技術に関連する選択肢も登場し、19世紀以降の科学技術史の発展をはじめとする文化史の基本事項を、教科書に沿ってていねいに学習する姿勢が求められる。
第3問 世界史上の文化と政治をめぐる問題
Aは18〜19世紀のイギリスによるインド支配、Bはアメリカにおける大衆文化の登場、Cは戦後の国際関係とオリンピックについて述べたリード文をもとに、20世紀前半を中心とする歴史的出来事を問う問題。第2問と同様、20世紀前半のアメリカの大衆文化や中国の新文化運動など、現代文化史の基本事項を問う設問が目立った。20世紀前半の日本による朝鮮統治に関する正誤判定では、教科書の脚注や図版の解説までていねいに読み込む必要がある。