《世界史B》 設問別分析
第1問 世界史上の法をめぐる問題
Aは古代〜20世紀前半の中国、Bは11〜18世紀のインド、Cは18〜19世紀の北米における法典や法律について述べたリード文をもとに、古代から現代までの歴史的出来事を問う問題。リード文のテーマに沿って、法典の編纂や法制度の整備に直接関連する正誤問題や、ローラット法の公布時期に関する年表問題などが出題されたが、いずれも基本的なもの。インド史に関連する地図問題では、ベンガルやパンジャーブなどの地域を、名称だけでなく位置としてもおさえる必要がある。
第2問 世界史上の都市と経済
Aは中国(開封)、Bはハンガリー(ペスト)、Cはドイツ(フランクフルト)について述べた個性的なリード文をもとに、中世から現代までの交易や都市に関連する歴史的出来事を問う問題。昨年同様、文化史上の出来事を年代整序形式で問う設問が見られたが、中国文化史を王朝別に整理していれば対応できる。今年度、戦後史の出題は、各地の広域経済機構または地域協力機構に関連する正文選択問題の1問のみであった。
第3問 世界史上の宗教
Aはローマ、Bは唐、Cはエジプトの信仰や宗教意識について述べたリード文をもとに、ヨーロッパやイスラーム世界の歴史的出来事を中心に問う問題。オリンポス12神の特徴やイスラーム教の聖典など、宗教文化に関する基本事項をていねいに学習する姿勢が求められている。リード文Cでは、20世紀後半のエジプトにおけるイスラーム教の位置づけの変遷が述べられているものの、設問は19世紀以前の出来事に関連する事項ばかりであった。
第4問 世界史上の君主や王朝
Aは古代〜19世紀の東南アジア、Bは16〜17世紀のロシア、Cは19世紀を中心とする西欧諸国における君主・王朝について述べたリード文を用いて、前近代を中心に、19世紀までの歴史的出来事を問うている。扶南の港の名称と位置の組合せを判定させる設問では、地図を活用して東南アジア史を学習したかどうかが成否を分ける。ノルマン人や中世のギリシア正教に関する正文選択問題は、教科書を注意深く読み、基本事項についての情報を一段深く掘り下げて学習する姿勢が求められた。