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《現代社会》 設問別分析
【第1問】日本の農林環境と社会
リード文は、ボランティアなど近年重視される内容を織り交ぜながら、農業と森林をテーマとしたものであった。設問は、環境と社会という観点からさまざまな資源や行政と社会活動、さらに個人と社会のかかわりなどについて、政治分野と経済分野および倫理分野が融合するかたちで総合的に幅広く問う内容であった。問8でリード文の内容全体を判断するという新しいタイプの出題があったが、全体の出題傾向およびレベルとしては基礎的なものであり、基礎的事項・理論的事項の確実な理解が必要となっている。問7ではフロムやサルトルについても出題されており、「倫理」分野の事項についての学習も求められている。問6では課題追究学習に関する出題があった。
【第2問】民主政治の思想と制度
民主政治に関して、各国の政治制度、統治の原則などの観点から出題された設問。一定の学習を積んだ受験生にとっては実力を発揮しやすい設問内容であり、点を取りこぼさないことが求められているといえる。問2で西洋古典思想に関する要素を含んだ出題があった。
【第3問】企業、経済社会
就職に関するリード文から、経済を軸とする内容を会社、社会保障制度、国際経済などほぼ経済分野中心に網羅的に出題された。同分野の理論的事項の理解が徹底しているかどうかが問われる内容となっている。問6では資料読解問題が出題されたが、特別の知識は必要なく、資料を読み取ることで解答できる。問8で青年心理のひとつである「ヤマアラシのジレンマ」に関する出題があった。
【第4問】環境保護と地方自治
環境保護をテーマにして地方自治や政治制度などを手堅く尋ねた設問。ただし問1は2008年以来の出題となる世界遺産について、選択肢ごとに写真を掲載して尋ねる珍しい出題であり、とまどった受験生がいたことが想定される。問3では法的論理に基づく思考能力を試す出題となっているが、素直な読解で分類できる内容であった。
【第5問】子どもと国際社会
子どもへの支援というテーマのもと、支援に関する国際機関や制度などについて尋ねた大問である。時事的要素はなく、理論的事項が理解できているかがどうかが問われている。問4の資料解釈問題は、計算したうえで選択肢を吟味する必要があったため、若干時間がかかった受験生がいたことが想定される。
【第6問】市場経済と労働者
市場経済と賃金を中心として、経済分野の理論的事項と労働者や所得格差についての設問がバランスよく配置されている出題内容であった。問5選択肢1のように教科書の範囲を超えた事項も出題されているが、基本的には典型的な出題の大問となっている。問2は、日本の労働環境に関する出題となっている。
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