介護福祉士、ヘルパー

生活の不自由をサポートし、自立を支援する仕事
介護・福祉に関する仕事
INTERVIEW
現役の介護福祉士に聞きました

社会福祉法人アゼリヤ会 特別養護老人ホーム あかね苑
大住 優さん
PROFILE
おおすみ まさる
帝京福祉専門学校 保育科卒業
特別養護老人ホームで働く介護福祉士の大住さんは、誰かの助けになりたいと思ってこの仕事を選んだそうです。施設の入所者にほとんど笑顔を絶やすことのない大住さんも、厳しい表情を見せることがあります。
その理由とは?
1
お仕事の内容は?
業務の内容は、利用者の方が何らかの生活のしにくさがあって日常生活で困っているところを手助けする仕事です。入浴や食事、排泄など基本的な身辺介助はもちろん、本を読みたくても指が動かない場合には手を添えるといった、細かい動作についてもサポートをしています。
とはいえ、何かを一方的に援助するわけではなく、まずはその人が快適と思えることは何かを尋ねることが大切です。入浴温度や好きな話題など、こちらがいきなり手助けするのではなく、「教えてもらうこと」が最初の仕事です。
忘れてはならないのは、「便利」を提供するのではなく、「支援」するのが仕事だということです。自分でできることは自分の手で行ってもらいます。つらさを感じることもありますが、気に入られようとして何もかも手伝うと、その人の生活意欲や自尊心を奪うことにもなります。また、チームプレーを乱すことにもなります。
私は以前、ある利用者さんの要望をすべて聞いてしまって、他のスタッフとの足並みを崩してしまったことがありました。その際には「大住さんなら言うことを聞いてくれたのに」となって、私だけが呼ばれ続けることになりましたね。
チームプレーに関しては、毎日ミーティングを行い、施設内の問題や伝達事項を全員で共有します。例えば、なかなか食事を口にしてくれない方は、献立だけでなく、食事のスピードはどうか、食事中にどんな会話をすれば機嫌よく食べてくれるかなどの成功事例を全員で共有します。
2
このお仕事の醍醐味は?
入所する方の大半が高齢者です。ここを終ついの住み処かとして選んでくださる方、ここで亡くなる方もいます。我々は1日1日を大切に、利用者の方が楽しく過ごせるようなサポートを目指しています。
よく寝る、よく食べる、そして何より心地よく笑顔をこぼしながら過ごす。やりがいを感じるのは、利用者の方がそういう状態で生活しているときですね。
3
介護福祉士を目指す人にアドバイス
介護施設では介護福祉士の資格がなくては働けない、という法律はありません。ただ、介護福祉施設は勉強中も含めて、資格取得を採用条件にしているところも少なくないようです。実際の現場でも、医療や介護に関する基礎知識があると、例えば寝床の体位変換について「なぜその必要があるのか」ということがわかります。それなりの試験勉強は必要ですが、現場でのノウハウの吸収力も変わってくるので、資格取得は強くおすすめします。
もちろん、資格を取得したからといって、それでゴールではありません。利用者の方は人間です。それぞれ性格や嗜好、喜怒哀楽の波長も違います。介護の現場で働いてもう10年以上になりますが、今でも「この方はこういうことが気になるのか」と学ぶことが多いですね。
ある日の大住さん
9:00
朝礼。シフト交代。利用者の夜間の変調などについて情報共有
9:30
ベッドまわりの整備
10:00
共同スペースでのティータイムの介助。排泄介助やおむつの交換など
12:00
昼食の介助。後片づけ
13:00
休憩
14:00
利用者のレクリエーション(カラオケ・体操・習字など)
15:00
おやつ・排泄介助
17:00
夜勤スタッフに情報伝達
