農家、農場主

食に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 農業について関心がある人
  • 自然のわずかな変化に気づける人
  • 辛抱強い人

1.農家の仕事とは?

米や野菜などの作物・花などを生産する仕事です。

植えつけから収穫までの期間は、数カ月の短いものから数年かかるものまであります。土壌づくりから始まって、天候や病虫害に気を配りながら、収穫までの間、作物の世話をします。

かつては農家のほとんどが専業農家であり、代々家業を継いで農業に従事する人が多かったのですが、近年では、農業以外の仕事でも収入を得る兼業農家が、農家全体の7割以上を占めています。また、農業生産法人(農業法人)に勤め、給料をもらって農業に携わる人も増えています。

農業法人とは、有限会社・株式会社として農業を行う企業のことで、大規模生産により収益の拡大を目指します。そのために、作物の生産と出荷に加えて農産物の加工や販売を行い、営業や広報活動を通じて販路を広げるなど、多角的な経営を行っているところもあります。

生産した農作物は、地域の農業協同組合や卸売市場に出荷するのが一般的ですが、近年では、スーパーやレストランなどに直接納める契約販売やインターネットでの直接販売を手がける農家も増えています。

また、最近は、消費者の「食の安全」への関心の高まりと共に、生産者の氏名を表示して販売する「顔の見える生産」が評価されています。有機農法や減農薬で栽培された米や野菜に対して、消費者から直接「おいしい」「安心だ」などという声が届き、農家のやりがいにもつながっています。また、いちごやりんごなどの果実をハウスで育て、一般客が自分で収穫する「果物狩り」を中心に観光農園の経営に乗り出す農家もあります。併設された直売所では、漬物やジャムなどの加工品を販売し、さらに観光客の人気を集めています。

農業という仕事は、天候などの条件に左右されるとはいえ、基本的には経験や技術が作物の品質に大きく関わります。しかし、種をまくところから収穫まで、すべての仕事を自分の手で行うことができるのも魅力の1つです。

2.農家の役割・資質とは?

農家には第一に、安心して食べることのできる農作物を生産することが求められます。特に近年は、国産の農産物に人気が集まっています。食料自給率の向上や、貿易自由化の流れの中で、場合によっては遺伝子組み換え作物のように安全性が証明されていない作物が大量に流入してくる可能性があるという面からも、ますます国内の農家の重要性は高まるでしょう。また、今後の農業には、植物をはじめ、生物・土壌・水源など環境に配慮した生産を目指すことが求められます。

農作業は、毎日戸外で体を使うため、体力が基本です。自然が好きであることはもちろん、植物の成長におけるわずかな変化にも気づく観察力も必要でしょう。観察にもとづいて改善点を見つけ出し、試行錯誤する研究心と向上心があれば、着実にスキルアップすることができます。

3.農家になるためには?

農業に就く場合、農業大学や大学の農学部・農業系の専門学校に入学して専門知識を身につけるのが一般的な道です。また、農業法人に就職する道もあります。将来独立を希望する場合でも、農業法人の中には、農業を学びたい人を研修生として受け入れ、育成を行っているところもありますし、地域によっては、就農希望者を積極的に受け入れ、土地を用意するなどの支援をしています。栽培作物によりますが、普通免許の他にトラクターを運転するための小型特殊免許があるとよいでしょう。

 

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POINT

  • 食の安全・環境保全を考慮した生産が求められる
  • 研究心と向上心が必要
  • 兼業または農業法人に就職するという方法もある

関連情報

●全国新規就農相談センター HP

新しく農業を始めたい人のための情報が満載。学生・社会人向けインターンシップの紹介ページもある

オススメの1冊

『イラスト図解 農業のしくみ』

(有坪民雄著/日本実業出版社)

栽培の基礎知識から農業経済・バイオまでをカバーした農業全般に関する入門書

生産者が自作の農産物を消費者に直接販売するファーマーズマーケットの人気が高まっている

この職業に近づく大学は?
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北海道大学:農学部農業経済学科

農業環境政策学、農業経営学、開発経済学、協同組合学、食料農業市場学、地域連携経済学などの7つの研究室を設置。多様な農業形態を検討しながら人類と自然との共存を追求する。理系に分類される農学に経済の視点を加え、新たな枠組みの構築を目指す。

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千葉大学:園芸学部園芸学科

2年次より2つのプログラムに分かれる。栽培・育種学プログラムでは園芸植物の高度栽培技術や品種改良などについて研究を行う。生物生産環境学プログラムでは植物、昆虫、微生物や農業の環境に関わる理論を学び、生産環境の基盤となる諸事象の研究を行う。

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静岡大学 農学部 生物資源科学科

植物バイオサイエンス、木質科学、地域生態環境科学、農食コミュニティデザインの4つのコースからなる。生産生物科学と環境科学を統合した農学を学ぶ。静岡県の立地や環境を活かした実地教育を重視し、地域の農林業の活性化に寄与できる人材を育成する。

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近畿大学:農学部農業生産科学科

「生物現象の探求(探る)」「農産物の生産(作る)」「アグリビジネスへの展開(儲ける)」「先端農業への挑戦(尖る)」の4つの視点から持続可能な農業生産に取り組む人材を育成する。専門分野の英語論文を理解できるレベルの英語力も身につける。

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農家、農場主をより詳しく知ろう
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日本農業の現状とこれから 日本農業についてもっと知ろう

元農林中央金庫代表理事副理事長
宮園 雅敬先生

研究やビジネスの最前線を走る“現代の偉人を講師に迎える”「トップリーダーと学ぶワークショップ」。今回は、日本の農林水産業の活性化に尽力されてきた宮園雅敬先生をお招きし、「日本農業の現状とこれから」をテーマに講演いただいた。先進国の中では最低の食料自給率となった日本が、この先食料を安定供給するためにはどうすればよいのか。将来の切実な問題について、多くの高校生が興味深く聞いた当日の模様をお伝えする。

詳しくはこちら

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