ファッションデザイナー、服飾デザイナー

コンセプトの立案から完成まで、衣服製作に関わるプロデューサー的存在

ファッションに関する仕事

INTERVIEW

現役のファッションデザイナーに聞きました

クロスプラス株式会社

栗田 麻奈美さん

PROFILE

くりた まなみ
常盤女学院専門学校卒業

 小さい頃からデザインをすることが大好きだったという栗田さん。ファッションデザイナーとして働くようになってから、衣服に対する見方も変わったそうです。
 衣服を作るという仕事の醍醐味や求められる能力についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 私の肩書はデザイナーですが、デザイン画を描く業務は全体の3割ほどです。型紙を作るパタンナーと一緒に型紙の製作を進めたり、縫製や工場生産用に仕様書を書いたりと、製品が出来るまでのすべての工程に携わっています。
 当社の場合は、パンツやカットソーなどカテゴリーによって担当デザイナーがさらに振り分けられています。私はブランドのコンセプトに沿うように、統括責任者として各製品のディレクションを行っています。多くの人たちとの共同作業になるため、説明能力も問われます。
 また、海外の生産工場に出向いてサンプルの検品を行うこともあります。仕上がりが常に完璧なイメージどおりの状態とは限りませんので、そのような場合には縫製などの指導をして、製品について一生懸命に説明します。納期が迫っている製品の場合には、中国や韓国の現地メーカーまで足を運んですぐに手配できる生地や糸をセレクトし、現地でサンプル仕様書を作成して依頼を済ませることもありました。スケジュールによっては、帰国する頃には早速サンプルが送られてくるような、製作スピードが重視される案件もあります。
 デザイナーは感性の仕事といわれることがありますが、製品には納期や原価など様々な制約があります。例えば高級な生地を用いる場合や、手間のかかる縫製でオーダーする場合となると、原価はその分高くなってしまいます。数ある制約の中で、トレンドの傾向を取り入れつつ製品を作り上げていく。つまりセンスだけでなく、いかに創意工夫をして製品として成立させるかを考えるのが、私の仕事ともいえます。

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このお仕事の醍醐味は?

 人気のデザイナーやパリコレのデザイナーなど、ときにはあこがれの人と一緒に製品を作ることもあり、そういった方々と同じ仕事に携わるのは、やはり大きな刺激になります。
 自分の手がけた製品が店頭で並んでいるのを見るときも、仕事の醍醐味を感じる瞬間の1つです。ただ、それで終わりではありません。もし売り上げが伸び悩んでいる製品があれば、サイズ感・デザイン・プリントの柄など複数面から原因を洗い出します。売り上げデータはカラー別でもチェックし、次のシーズンの製品を企画する際に役立てます。
 休日はよくファッション店に足を運び、トレンドをチェックしていますね。好きなことなので、負担に思うことはほとんどないですよ。

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ファッションデザイナーを目指す人にアドバイス

 この仕事で最も大切な資質は、衣服が好きだということに尽きます。高校生のうちは、まず好きな服やファッション誌について、それらのどこに自分は惹かれるのか、「好き」の理由をとことん掘り下げてほしいですね。また専門の教育機関に進学することで、自分の適性も把握しやすくなります。私も専門学校に進みましたが、同じ道を目指す仲間を見つけるためにも良い選択肢だったのかなと思います。

ある日の栗田さん

  

9:30

出勤。メール確認

10:00

情報交換会議

11:00

企画打ち合わせ。商談準備(アイテム構成・スタイリング作成)

12:00

昼食

13:00

得意先のバイヤー(買い付けをする人)と商談(デザイン・素材・カラー・価格設定・納期の確認)

16:00

生地屋や工場と納期・価格設定などの交渉

17:00

サンプル依頼・修正。シルエットの確認やアイテムごとの素材のあて込みなどから具体的な仕様書を作成

18:10

終業、帰宅。残業の場合も

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