消防官

日夜訓練を積み重ね、火災などの際は消火や人命救助をする仕事

治安に関する仕事

INTERVIEW

現役の消防官に聞きました

東京消防庁 目黒消防署 消防副士長

徳間 康裕さん

PROFILE

とくま やすひろ
早稲田大学 商学部卒業

少年の頃から野球を続け、チームプレーの本質と頑強な肉体を身につけた徳間さん。その経験とスキルが人助けに役立つのならばと思い、消防官という仕事を選んだそうです。
防災や救助に真剣に取り組む徳間さんに、消防官の仕事についてうかがいました。

1

お仕事の内容は?

同じ消防署員とチームを組み、現場へ出場して消火活動や人命救助を行うのがおもな仕事です。
東京消防庁では3交替制でチームを編成し、24時間態勢で対応にあたっています。チーム内では、はしご車やポンプ車などに担当分けがなされており、出場の際にはそれぞれのメンバーが担当している役割を果たすことになります。
私ははしご車の担当です。出火報(火災発生を知らせる出場指令)と共に、隊長と機関員(消防車両を動かす担当者)と私の3人ではしご車へ乗り込み、現場へと向かいます。現場では、まず要救助者の有無を調べ、要救助者がいる場合は人命救助を最優先で行います。いない場合は消火活動に集中します。
人命救助の点でいえば特別救助隊、いわゆるレスキュー隊がそのエキスパートであり、他の隊と連携しながら延焼建物に入り、逃げ遅れた人を救助します。
災害対応以外は、車両や装備の点検、消火訓練、救助訓練、さらには個人的な体力づくりなどをして過ごします。もちろん、出場すればそれに関する報告書の作成といった事務作業も発生します。また、消防法にもとづいた建物への立ち入り検査を行ったり、都民への防災指導を行ったりします。
2012年、私は特別救助技術研修を修了し、レスキュー隊員の資格を取得しました。今後はレスキュー隊員としても頑張っていこうと思っています。

2

このお仕事の醍醐味は?

「誰かの役に立てる」ということです。しかしその一方で、過酷な部分もたくさんあります。それでも頑張っていけるのは、皆さんの笑顔を見ているからです。
例えば、消防署を訪れた子どもが消防車や訓練風景を見て大喜びする。お父さんお母さんは、喜ぶ子どもを見て幸せそうにほほ笑む。あるいは、消防車で走っていると子どもたちが手を振ってくれる。まさに、自分はこういう人たちの笑顔を守っているんだと実感することができます。あの笑顔をまた見たいから、これからよりいっそう頑張ろうと思えるのです。

3

消防官を目指す人にアドバイス

体力勝負だけに思える消防官ですが、実はそうでもありません。ロープや滑車を使う救助活動ならば物理、消火活動の放水量や放水圧の計算には数学、可燃物が発するガスの危険性なら化学というように、現場では専門的な知識が頻繁に要求されます。当然、採用試験でも出題されますから、これらの科目の底上げを行うことが大切です。そのうえで、基礎体力の向上を心がけましょう。
また、採用試験では、時事的な社会問題も出題されます。普段から新聞などに目を通し、その出来事について自分なりの見解を持っておくとよいでしょう。

ある日の徳間さん

  

7:30

出勤

8:30

交替。前任の当務員から任務を引き継ぐ。車両や資器材の点検や訓練、事務処理を行う

13:00

消防活動訓練。はしごなどの資器材を使い、実戦さながらの訓練を行う。訓練終了後は体力づくり

18:30

点検

19:00

ミーティング後、事務の処理

22:00

仮眠。仮眠中も出場に備えている

6:00

起床・庁舎清掃・朝食

8:30

交替。後任の当務員へ任務を申し送りし、帰宅

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