警察官

地域をパトロールして住民の安全を守り、維持する仕事

治安に関する仕事

INTERVIEW

現役の警察官に聞きました

警視庁 南大沢署 巡査長

岩永 哲征さん

PROFILE

いわなが てつゆき
駒澤大学仏教学部卒業

学生時代に近所で起きた事件。その際に目撃したのは、何人もの警察官による捜査風景。その頼もしさとカッコよさに魅せられて、警察官を目指した岩永さん。
広域な管内を日々パトロールする岩永さんに、警察官の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 地域課に所属し、2人1組で管内の担当地域をパトカーで巡回しています。巡回中は、事件や事故が起きていないか、不審な人がいないかと目を凝らし、無線に耳をそば立てて、事件発生時には迅速に対応できるようにスタンバイしています。もし事件が発生した場合は、真っ先に現場へ急行し、初動捜査にあたることが私たちの仕事です。
 具体的には、現場保存や関係者への聞き取り調査を行い、応援要請や緊急配備などを含めて本署へ連絡します。怪我人がいる場合は救急搬送の手配などが基本動作となります。犯人が逃走した場合には、まだ目視できる際には追尾し、身柄を確保します。こうした初動捜査を終え、本署から駆けつけた担当刑事に対して状況を詳細に説明します。ここから本格的な捜査がスタートするのです。
 一方、管轄外で起きた事件の場合でも、必要に応じて無線などで緊急配備や検問などの連絡・指示が出されることがあります。その際には、指示された場所へ急行し、ただちに不審車両・不審人物のチェックやパトロールを強化します。さらに、交通事故が起きた場合にも連絡が入り、現場に急行します。現場では怪我人の有無の確認と救急搬送の手配、事故に関する聞き取り調査、通行中の車両や歩行者に対する交通誘導などにも携わります。
 最近、私も後輩の警察官の指導役に任命されました。通常任務をこなしながらも手本となるよう、1つひとつの出来事に対応していくことを心がけています。

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このお仕事の醍醐味は?

 ささやかなことですが、おじいちゃんやおばあちゃん、子どもたちの笑顔を見たときが一番の幸せです。もし事件が起きたら、その被害者やご家族はもちろん、周辺の住民も恐怖で心の余裕も笑顔もなくなります。だからこそ、皆さんの笑顔は平和の証です。警察官にとっては、住民の安全・安心を守ることができている証なのだと実感できるのです。
 また、中高生の多感な時期には、人間や社会の悪い部分が見え始め、図らずも道をそれてしまう人が出てきます。そうした人たちに対して人間の良さや「世の中捨てたものではないぞ」と教えられる人間になっていきたいです。

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警察官を目指す人にアドバイス

 警察官というと体力中心の世界と考えがちですが、実は心・技・体の3つが高いレベルでバランス良く身についていることが大切です。まずは文武両道を目指して、勉強ばかりであれば体力づくりを、部活一辺倒なら勉強にも力を入れて、バランスを取るように心がけてください。
 何より大切なのは「心を鍛える」ことです。気持ちが伴わなければ技術も体力も追いつけませんし、勉強もはかどりません。何か1つでも心底熱中できるものを見つけ、それにどんどん情熱を注いでください。その中で壁にぶつかり、乗り越えていくことで、心も強くなっていくはずです。

ある日の岩永さん

  

7:00

本署へ出勤。着替え、警棒・無線などの身支度を整えて朝礼に

8:30

朝礼後、上司の指示を受けて管内パトロールへ出発。パトカーは2人1組で乗車し、管内を巡回。事件・事故を発見した際は停車し、本署へ連絡。事後処理を開始

12:00

本署へ戻り、報告と昼食。その後、再度巡回パトロールへ。緊急通報があれば現場へ急行。大きな事件の場合は、本署から担当者が到着するまで、現場保存と聞き取り調査を継続

16:00

当日の出来事を上司へ報告。詳細な報告書などを作成することも

17:15

装備品を返却し、制服から私服へと着替えて退勤

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