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化学 樹葉瑛士先生の学習アドバイス

化学

樹葉瑛士先生

樹葉瑛士先生

東大をはじめとする難関大志望の生徒から、化学が「ワカル」「デキル」ようになると好評。自らの生徒をノーベル賞受賞者にすることを夢に掲げ、基礎の徹底理解から、さらに化学の深部に潜り込む、目から鱗の講義を展開する。原子という極微小な粒子で構成された物質を扱う学問だからこそ、それらが織り成す世界を理解し実感させることを追求し、化学の本質に鋭く迫る。

高3生 のキミへの学習アドバイス

過去問演習において、重要な点は二つ。一つ目は、効率的な解き方ができているか意識すること、要するに時間配分をしっかり考えながら解いているかということです。試験の序盤に出題された難しい問題に時間をかけすぎてしまったことはありませんか? 正しい時間配分とは、「解くべき問題にしっかりと時間をかける」ということです。例えば、「一つの小問には最大5分まで」のように小問ごとの制限時間を設けておくのも有効です。

二つ目は習った内容が定着しているかを確認すること。入試問題は「授業や教科書で習った内容が複合的に出題されている」だけなのです。過去問演習では必ず、定着してなかったポイントを見つけましょう。本番までに穴になっている分野をつぶせるか、そこで合否が大きく左右されます。

設問の指定を必ず確認する癖をつける

記述問題でまず気をつけてほしいのは、設問の指定を守るということです。化学式か化合物で記すか、有効数字は何桁かなどは必ず確認する癖をつけましょう。内容があっていても指定を守らずに減点されてしまうのはもったいないです。

今年は、多くの受験生が大きな不安と戦っていると思います。しかし、多少の形式が変わっても学問は変わりません。皆さんは、大学に入学したら何がしたいですか? 勉強のモチベーションを確認したら、絶対合格すると覚悟を決めましょう。覚悟を決めたらやるべきことを整理して、あとは、やり抜くだけです。その先にはきっと合格が待っています。頑張ってください。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

化学は一般的に次のように学習が進められます。もちろん、どんどん先取りして学習を進めても構いません。

・高2学年まで 理論化学の基礎

・高3学年の1学期まで 理論化学(応用問題まで)

・高3学年の夏まで 無機化学・有機化学

・高3学年の10月まで 高分子化学

理科で失敗している受験生の多くは、準備不足によるものです。高2のうちに基礎を固められていれば、高3ですんなり演習に入れます。ぜひ、皆さんは今のうちに基礎についてしっかりと定着させてください。

まずは化学を理解する学習を

共通テストの問題は、①従来のセンター試験と同様の基礎学力を問う設問 ②国立大二次や私大で出題されるような、やや難度の高い設問 ③考察力・応用力を問う新傾向問題の三つに分けられ、ほとんど①と②の設問です。

化学は、「教科書の内容を学習して、それを問題集などで確認する」ことが最も重要です。教科書をろくに読まずに、問題集のまとめページなどでポイントを確認するだけでは化学の力は伸びず、非効率な学習です。まずはしっかり化学を理解するところから始めてください。