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現代文 西原剛先生の学習アドバイス

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現代文

西原剛先生

西原剛先生

「文章の現実から逃げない」ことを信条に、明快な構造板書と豊富な具体例を用いて難解な入試問題を「誰でも分かる」レベルに解きほぐす。卒業論文では『文章論的文章読解指導法の研究』を執筆。文章の「客観性」だけでなく、時に「多義性」「曖昧さ」まで見遣りながら、文章読解に正面から向き合う正統派の現代文講義。

高3生 のキミへの学習アドバイス

センター試験が大学入学共通テストに変わるということで不安を感じている方も多いと思いますが、大切なことは、変更点を正しく把握し、冷静さを失わずに対策を進めていくことです。主な変更点は、第1問【論理的な文章】で、図・表・グラフなどの資料や実用文が出題される可能性があること、第2問【文学的な文章】で、小説だけでなく、詩・エッセイ・短歌などが出題される可能性があること、また、両問共通して、1問の中に複数の文章・資料が提示される可能性があることです。

一方、試験時間(80分)、大問数(古漢を含め4問)、配点(200点)、解答方式(マーク式)は従来と変わりません。内容面でも、「漢字(同音異義語・同訓異字)問題」「語句の意味問題」「段落構成に関する問題」「表現に関する問題」など、センター試験で毎年出題されていた問題が、引き続き出題されると考えられます。前述の新しい形式に慣れるという意味では「模試」の受験が有効ですが、センター試験の過去問も役立ちます。設問ごとの時間配分を決めて、80分をどう使うかを意識しながら問題演習を繰り返しましょう。

「最終12月 共通テスト本番レベル模試」は、最後の予行練習です。本番を明確に意識して臨んでください。国語であれば、どの順番で解くか(現代文が先か、古漢が先か)、1問あたり何分の目安で解くかなど、試験の進め方を予め決めて臨んでください。

合格の可能性を高めるために必死に勉強する

直前期は、過去問や模試など実戦的な演習を積むことが大切ですが、それ以外に何か特別な勉強法があるわけではありません(そんなものがあるなら、はじめからやっていれば良いですよね)。他人と比べず、自分に没頭して、地道に課題をこなしてください。

この時期、受験生から「合格できるか不安で…」という悩みの相談を受けることがあります。頑張ってきた人ほど不安になることは理解できますし、「大丈夫だよ」と声をかけてあげるのが優しいのかもしれませんが、正直なところ、未来のことは誰にも分かりません。もしかしたら、理不尽な未来が待っていて、努力が報われないことだってあるかもしれません。でも、「だから勉強しない」のではなくて、「少しでも合格の可能性を高めるために必死に勉強する」という選択肢を選んでほしい。というか、その選択肢を選ぶ道しかないのではないかと思います。「合格すると分かっているから頑張る」のではなく、「どうなるか分からない未来に向けて、決意を持って飛び込む」。そんな濃密で熱い体験をしてもらいたいです。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

あなたがマラソンに参加するとします。ゴールの場所やそこまでの距離を正しく把握していた方が、ペース配分を考えやすく、良い結果を出せることでしょう。受験も同じです。自分のゴールを明確にするために、「共通テスト同日体験受験」はぜひ受験してください。「どうせ解けないから受けたくない」と言う生徒がいますが、先延ばしにしたところで「完璧に解ける」ようにはなりません。自分がどのくらい解けないのかを認識することに意味があります。現代文は他科目のように「未習範囲」があるわけでもないのですから、高2生だけでなく高1生も積極的に過去問を解いてください。

勉強の仕方も試行錯誤で上手くなる

学習計画の立て方は、人によって向き不向きがあるので、唯一の正解はありません。僕の場合、「勉強は復習が命」だと思っていたので、記録表を作り、「問題を解いた日の3日後、そこから1週間後、さらにそこから1か月後…」といった具合に日付を記入し、その日になったら復習してシールを貼るという進め方をしていました(自分がやり遂げたことを目に見えるようにすると、学習がはかどります)。

もちろん、この方法が合わない人もいるかと思いますが、一つ言えるのは、勉強の仕方も、試行錯誤によってどんどん上手くなっていくということです。僕はもともと要領が悪く、中学生のときは、「教科書をすべて丸写しにする」という修行僧のような学習法を採用していました(そして時間をかけた割に定期テストの点数が良くありませんでした)。失敗も含めてさまざまな学習法を試していくうちに、自分だけの効率的な方法が確立されていきます。「計画は向かない」と思っている人も、今までの計画が自分に向いていなかっただけかもしれません。あまり硬くなり過ぎず、いろいろな方法を試してみてもらいたいです。