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英語 土岐田健太先生の学習アドバイス

ENGLISH

英語

土岐田健太先生

土岐田健太先生

学生時代より黙々と日々研鑽してきた努力人は、「実用英語」と英語文化の「教養」の橋渡しをする。英語圏の文化背景から英語を捉え直す講義スタイルは、これまでの英語観を大きく変え、将来まで通用する圧倒的な英語力を習得できる。高校生だけでなく、社会人対象の資格講座や教養講座も担当。「知的な面白さ」を追求し続ける講義で、受講者の知的好奇心を満たし、合格のその先の将来と向き合う自信をも与えてくれる。

高3生 のキミへの学習アドバイス

本番までの「成長力」が鍵を握るので、「ゴール」から逆算する取り組みが物を言います。「己を知り、相手を知る」のが合格する受験生の合言葉です。直前期は「自己分析力」「課題克服力」「高地トレーニング」の3つが合格を後押ししてくれます。 本番までの「成長力」が鍵を握るので、「ゴール」から逆算する取り組みが物を言います。「己を知り、相手を知る」のが合格する受験生の合言葉です。直前期は「自己分析力」「課題克服力」「高地トレーニング」の3つが合格を後押ししてくれます。

まず「自己分析力」から。究極的には「合格」はトータルで合格最低点を超えればOKです。どういう戦略で、何点取ることを目標に勉強するのかによって、やることが決まってきます。英語の記述問題は「理由」「具体」「要旨」など、問われるパターンが決まっています。模範解答と自分の解答のギャップを分析し、解答作成するときには「範囲指定」→「日本語の記述」→「推敲」の3ステップを意識してみてください。推敲では「非常に」や「とても」などの修飾語のカットや「情報圧縮」を意識してみると、より完成度の高い解答が作れます。

次に「課題克服力」です。意外と盲点になりやすいのが各大問の得点率分析です。点数を伸ばしやすい分野を精査してください。「空所補充」では熟語の知識不足で失点している場合があるので、本番までに間に合うように補強しておきましょう。また、差がつきやすい「タイトルを問う問題」は個別具体的な情報ではなく、抽象的かつ全体をまとめた選択肢が正解になる、など選択肢の検証もコツを掴みたいところです。

最後に「高地トレーニング」です。試験本番はトラブルが当たり前に起こります。いつも静かな環境でやるのではなく、雑音がする環境で過去問を解く練習もしておいてください。僕自身、本番でイギリス人の先生がリスニングの音声をその場で読み上げて、一瞬心が折れそうになったことがあります。態勢を立て直せたのは、CNNのニュースを聞く習慣があり、さまざまな国のスピーカーに順応できたからです。音声速度が速いものや、いつもと違う環境でもパフォーマンスを発揮できるように負荷をかける勉強をしておきましょう。

リハーサルで緊張を味方に

本番前日の心構えとは「リハーサル」をすることです。効果的なのは「時間制限・環境・集中」を本番に限りなく近い形で行う練習です。もちろん「スマホを切る」「音楽やTVを流さないでやる」を徹底してください。

「時間のシミュレーション」と「判断基準」を決めておきます。受験には捨て問と確実に取るべき問題があるので、判断のスピードが重要です。それをリハーサルで体感しておくのです。

睡眠時間も大切です。就寝前のスマホは避けたほうが良いでしょう。しっかり眠れると翌日のパフォーマンスにも良いリズムが生まれます。

 得意な科目は「シミュレーション」、暗記系の苦手科目はやりこんだ「参考書を見直す」など、自分なりに試験前の過ごし方を決めておくと、心にゆとりが生まれ、緊張を良い味方にできるのです。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

受験勉強とは「自分の今の立ち位置」を確認し、「目標」から逆算してスタートするのが得策です。ぜひ下記のピラミッドを念頭に勉強を進めましょう。

皆さんはこのピラミッドから考えた時に「どの段階」にいるでしょうか?新高3で、インプットの一番下の単語力&文法力の段階にいる人は早急に「いつまでに終わらせるのか?」を決めてください。志の高い新高2生にも当てはまります。また、リスニングが共通テストで100点を占めるようになったため、受験勉強は高3の4月からスタートだとかなり無理があります。

高2から高3になるこの2カ月でどのくらい戦略的に勉強ができるかが合格の鍵です。英単語の場合、「画像検索」や単語の「成り立ち&語源」からアプローチするとグッと記憶への定着度が上がります。さらに、文法については「幹」となる知識をつけることを主眼にしてください。たくさん4択問題をこなす&暗記する勉強からは早々に脱却してください。共通テストの「試行テスト(H.29)」の第1問Bではhave his house painted「(他者に)家を塗装してもらう」という音声が流れており、「文法の幹」に当たる理解も求められています。過去分詞を使うとき、「他者から~される・してもらう」という関係があることは単に文法の4択問題が解けるだけではなく、「根本的なルール」を理解しておくことが必要なのです。

模試で「自己分析力」を磨く

模試の結果に一喜一憂せず、「自己分析」の絶好の機会と捉えることが重要です。受けた後も、「時間配分のチェック」と「自分の分野別の得点率」も見直してください。さらに、不正解の問題だけではなく、「悩んだ問題」も解説を熟読します。

例えば、模試100点未満のラインだと、個別の弱点のほかに、「未習分野がある」「一文一文の把握力が弱い」「選択肢の吟味が不足している」「時間配分が甘い」など、共通した課題を抱えていることが多いのです。

変化の過渡期にあるとき、人は不安でスタートを切るのが遅くなりがちです。しかし、そんな時こそ「行動する人」に勝利の女神は「ほほえむ」ものなのです。We can make it happen.