共通テストニュース 新課程入試について

生物 緒方隼平先生の学習アドバイス

SCIENCE

生物

緒方隼平先生

緒方隼平先生

学生時代から努力と経験を重ね続けてきた気鋭の講師。生物学は現在の自然現象を基盤に進化の可能性を探求する学問であると解し、常に生徒に考えさせることを追求する。暗記と無縁の講義は、いわばリスナー参加型の一つの物語となるだろう。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

共通テスト独特の考察問題に慣れよう!

1月に実施された共通テストは解いてみましたか? まだの人はすぐに解きましょう! 共通テストに出題された問題はほとんどが考察問題であり、知識を直接的に問うような問題はほぼ出題されませんでした。考察問題の種類もさまざまで、①受験生に既知ではない実験を読んでその結果から導かれる内容を考察する問題、②実験を計画する問題などは共通テスト独特の問題といえるでしょう。これらの問題できちんと正解するためには、考察問題への“慣れ”が必要不可欠です。と言っても、過去問は一年分で、依然として手に入る共通テスト型の問題は少ないでしょうから、2カ月に1回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」を受験することを強くおススメします。アメフラシは何回も同じ刺激を与えると“慣れ”が生じ、その刺激に対して反応しなくなりますよね。それはヒトも同じです。定期的に受験し、共通テスト独特の考察問題に慣れることで、どんな問題に対しても落ち着いて取り組めるようになるはずです。

探究活動を習慣化せよ!

『探究活動を習慣化する』と言うと、何だか高尚に聞こえますが、そんなことはありません。たとえば、私はカレーが大好物なのですが、ここで、「カレーの美味しさはタマネギで決まる」という仮説を立てます。では、これを証明するためにはどんな実験計画を立て、どんな結果が得られれば良いでしょうか。そうです、タマネギなしカレーとタマネギ有りカレーを作って味を比較し(もちろん、ほかの材料や料理手順はすべて同じですよ!)、タマネギ有りカレーの方が美味しければ証明完了です。条件を一つだけ変えて実験を行う、正に対照実験の考え方です。

もう一つ例をあげます。マウス体内で働くあるタンパク質の機能を知るためにはどんな実験をすれば良いでしょうか。そのタンパク質を指定する遺伝子を働かないように処理したマウスと正常マウスを比較し、どんな違いがあるかを調べれば良いですよね。思考過程はカレーの話と全く同じです。

仮説を立て、実験を計画し、結果から考察するという一連の過程は、日常生活からいくらでも学ぶことができます。物事に対して常にアンテナを張り、探究活動を習慣化することで、科学的に物事を探究する力を養いましょう。