受験を控えた高３生は９月の時期にまず確認してほしいことがあります。それは夏までに自分が計画していた勉強でまだ完成していない、または不安な分野があるかどうかということです。入試本番まで残り半年を切ったこの時期は、１学期や夏までに固めた基礎学力を応用して、さらなる実力をつける時期になります。そういった状況でまだ基礎学力がついていない分野があると感じた人は、そこを重点的に勉強し早急に対応していきましょう。

具体的に話すと、夏の間に重点的に取り組んだ過去問演習で、「長文読解問題では抽象的な文章には弱いな」や「文法問題では仮定法や時制がまだ不安定だ」といったことが挙げられると思います。東進の「過去問演習講座」やこれまで受講した講座を通して、自分自身の弱点部分をもう一度明確にし、苦手な分野を少しでも自信が持てるようにすることが大切です。

学んだ知識を武器にすると

一方で、夏までの勉強が順調に進んでいる生徒は、共通テストや二次試験に向けて志望校に特化した学習を強化していきましょう。東進では「仕上げ特訓コース」があり、自分自身がさらに力をつけたい分野に特化して対策を行うことができます。例えば、自分が志望している大学に空欄補充問題が出題されているのであれば、さまざまなパターンの空欄補充問題にチャレンジすることで、これまで以上に自信を持って問題に取り組むことができます。ただ、１つ注意してほしいことは、「過去問演習講座」でも「大学対策講座」にしても、ただただ受講しているだけでは意味がありません。なぜその解答に至ったのかという解法のプロセスを知り、それに従って、次は自分自身で同じような解法ができるかどうかという事がポイントになってきます。受講した講座で学んだ知識を自分の武器にできるかどうかということが重要になります。９月以降は引き続き、受講している講座から解法手段を学び、それを用いてどんな問題でも解答できるように頑張っていきましょう。

受験本番が近づくにつれて、漠然とした不安な気持ちも大きくなっていくものですが、受験生で不安な気持ちを抱いていない人なんてほとんどいません。誰にも将来がどうなるかなんてわかりません。私は自分の将来がどうなるかわからないからこそ、人生を創造する楽しみがあると思っています。なりたい自分になれるように頑張れている今は、実はすごく幸せな環境だと思います。なりたい自分を想像してみてください。今頑張ることで、必ずその目標に近づくことができます。

私がこれまで多くの受験生を見てきて感じていることは、志望校に現役合格できている生徒の多くは、けっして時間を無駄にしていないということです。例えば通学中の電車の中や、学校の休み時間を利用して英単語を覚えたり、数学の問題を解いたりして、時間をとても有効的に使っています。夏までに勉強があまり上手く進まなかったら、９月からはより一層努力して、時間を有効活用しながら勉強時間を増やしていきましょう。上手く勉強を進めていくには目標を決めると良いと思います。例えば模試で何点を取るとか、もっとシンプルに〇〇大学に入って専門的な研究や勉強をしてみたいといったことを挙げても良いと思います。人は目標がなければなかなか行動を起こせないと思うので、何らかの目標を設定して英語の勉強に取り組みましょう。

英語の基礎力は今のうちに固めよう

英語の勉強方法としては以下のポイントを示したいと思います。

①語彙力の強化
毎日決まった個数の単語を、ネイティブの音声を聞いて音読をしながら学習をする。また、忘れても何度も何度も繰り返し続けていくことが大切です。

②文法力の強化
長文の正確な読解、下線部和訳問題または英作文問題ではやはり英文法の知識は重要です。今の時期に文法の力をつけてください。

③長文読解の演習
一文一文を正確に読解する力を養っていきましょう。安易に速読ばかりに気をとられてしまってはいけません。精読を徹底することで自然と速読ができるようになります。音読を通じて精読の徹底を心がけてください。

これからの将来、世の中や自分自身に何が起きるかわかりません。しかしそういった状況だからこそ、どんな過酷な状況に追い込まれたとしても、自分で生きていく力を皆さんにつけてほしいと思っています。これだけは誰にも負けないと言える武器があれば、きっと自信を持って困難な状況にも打ち勝つことができます。最高の人生を送るために今、努力していきましょう。