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数学 寺田英智先生の学習アドバイス

MATH

数学

寺田英智先生

寺田英智先生

緻密かつ多角的な解説は徹底した問題分析に基づくもの。難解な入試問題も趣味のパズルのように解きほぐす。数学的背景へ常に目を向けながら、更に生徒の学習段階さえも意識して「自ら考え、自ら解ける」実力の養成を目指す。実戦的で明快な講義が君の前に立ちはだかる「高き壁」を乗り越える力になる。

高3生 のキミへの学習アドバイス

秋から冬にかけて、過去問を軸に学習を進める人が多いと思います。ただし、本番が近づいたからといって過去問演習だけを漫然と行えばよいというものではありません。過去問演習で志望する大学の出題傾向を知る、それらに対する対策を考えることが必要です。対策が十分な単元、不十分な単元を知ることで、効率良く学習を進めましょう。志望校までの道のりが明確になることで、モチベーションの維持にも繋がります。ここで注意しておきたいことは、やみくもに演習するだけでは、知識の穴は埋められない、ということです。基礎に立ち返った学習、これもまた直前期まで欠かせないのです。

過去問を通じて、すでに学習していたが穴があった箇所、あるいは、そもそも学習が不十分であった箇所が見えてきます。その場合、基本的な内容に立ち返って学び直す、問題を解き直す。特定の単元への理解、あるいは演習が不十分であれば、単元・ジャンル別の演習も効果的でしょう。これが最後にひと押し、得点を上げてくれます。

残り時間が少なくなると、基本的な事柄に戻るのは勇気がいりますよね。しかし、せっかく自分が不得手とするポイントが見つかっても、それを克服するための行動を起こさなければ苦手なことは苦手なままです。本番前に課題が見つかったことはチャンスともいえます。過去問演習と弱点の個別撃破、これを行き来しつつ、実力を底上げしていきましょう。

粘り強い勉強で最後まで「足掻く」

勉強は健康あってこそです。時間を確保しようとする気持ちは大切ですが、睡眠、食事が不十分にならないようにしましょう。また、適度に体を動かすことも大切です。休日に長時間勉強して、頭が動かず行き詰まってきたら散歩をする、ストレッチをするなど、軽く体を動かしてみましょう。それだけでもまた頭は動きますし、気分転換にもなりますよ。

受験直前期は焦ることもあるでしょう。普段の勉強も手につかなくなり、もうまとまった勉強はできないのでは…と心配になってきますよね。しかし、勉強すれば合格する可能性は上がりますし、手を止めて悩んでいても時間が少なくなる一方です。結局のところ「自分の頭で考え、手を動かし、問題を解く」ことが合格への1番の近道です。10題眺めるよりも、1題でも解く、書いてみることです。

試験前日までは、とにかく「足掻く」。不格好でも前に進む。粘り強い、諦めの悪い勉強を、本番前日まで行いましょう!

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

数学は「正しさの構築」を行う科目です。どれだけ良い講義を受講しても、良い問題集を購入しても、急に数学ができるようになるわけではありません。まずは基本的なところから、自分一人で説明できること、解けること、わかることを地道に増やしていくことを常に大切にしましょう。

高2・高1生の皆さんは、まず学習済み単元のうち、基本的な事項に漏れがないか確認することから始めましょう。数学の入試問題は、いくつかの単元から横断的に出題されることが多く、明確に苦手な単元があると解ける問題がぐっと減ってしまいます。苦手な単元があれば、そこから学習していくといいでしょう。

どこから始めればいいかわからない人は、他の単元との繋がりが強く、融合問題の多い分野の学習がおススメです。「数と式」「2次関数」「三角関数」「指数・対数関数」など関数、方程式の基本的な内容が理解できているか確認しましょう。

自発的な学習が受験勉強の基礎となる

受験勉強を始めるきっかけに、誰かに言われて行う「以外の」勉強を一つ始めてみましょう。数学の基本的な問題集でも、英単語の暗記など無理のない範囲で続けられるものがいいですね。少しずつ積み重ねること、また、その能動的な、前向きな姿勢こそが、受験勉強の基礎になります。

また、学校行事があれば積極的に参加して充実した高校生活を送りましょう! ただ、学習は継続すべきです。短時間でも、登下校中の勉強など、続けられるものは少量でもいいので続けましょう。一度やめてしまうと習慣を取り戻すのに苦労しますし、少量でもやめなければペースを取り戻すことはできますよ。

皆さん、受験勉強を始めよう! と、気持ちが前向きなことと思います。それは本当に素晴らしいことです。何のために勉強するのか、その答えは一人ひとり違います。自分の心の中で答えが明確であれば勉強への気持ち、モチベーションも保たれるというものです。新年度を迎える前に、自分に向き合って考えてみてはどうでしょうか。