• 東進タイムズ 2021年10月01号

現代文 永井玲衣先生の学習アドバイス

現代文
永井玲衣先生

思考力養成を専門にする哲学研究者。クリティカルシンキング、哲学的思考などの高い専門知識とその指導経験から、全ての教科で求められる「論理的思考力」を徹底的に鍛える全く新しい授業を展開。近寄りがたい「論理」を、わかりやすく楽しいワークで体験させる。難解な文章を正しい「論理」で正確に読み解く力を養成し、大学入試にとどまらない汎用性の高い問題解決力を提供する。

高3生

入試が近づき、実感も湧いてくるころでしょう。

現代文は一夜漬けのように一気に詰め込むことができません。少しであっても、現代文に触れる時間を受験まで持ち続けることが大切です。ただし、たくさんの量を一日にこなす必要はありません。薄く、長く、というのが、私がよくみなさんに伝える現代文の勉強の方法です。

では、どうやって薄く、長く、続けていったらいいのか。まずは、これまで問いてきた過去問や演習問題を引っ張り出し、間違えたところを分析しましょう。ただ解き直す、というのでは無意味です(やったことある人はわかりますよね)。なぜ自分がその問題を間違えたのか、どこを勘違いしたのか、できるだけ事細かに言語化してみましょう。「何となく」「わからなかったから」ではいけません。自分の思考プロセスを振り返って、細かく、細かく、言葉にして、とりあえず書いてみる。それだけで、ただ問題を解き直すよりもずっと重要な「振り返り」ができています。なぜなら、自分を客観的に見つめ直す「メタ的な視点」を持つことができているからです。書き連ねていると、自分が似たようなミスの仕方をしていることに段々と気づいてくるはず。ミスの共通点もしっかり言語化したら、自分がしがちな落とし穴を気にしながら、問題を解いてみましょう。いくつか解いたら、また同じことを繰り返します。

間違いを分析するのは自分を知ること

人にはそれぞれ思考、読み方のクセというものがあります。自分の間違い方を分析することは、自分を知ることです。解くのに時間がかかってしまう人は、具体的にどこに一番時間がかかってしまうのか、なぜ時間がかかってしまうのか、時間がかかっている間、自分は何を考えているのか、振り返ってみてください(意外とやったことないでしょう?)。

「論理的思考」の授業内でもお話ししていますが、正解を目指すよりも、間違いを避けようとするとうまく考えることができます。やみくもに問題を解くよりも、「こうならないようにしよう」と意識しながら解く方がずっと楽ですよね。

あなたは本当に毎日よく頑張っていますね。「そんなことない」とよく返されてしまいますが、受験という不思議な仕組みに、何とか立ち向かおうとしている時点で、とても頑張っています。不安や心配で押し潰されそうな気持ちがあると思いますが、それは当たり前です。不安や心配をそのまま見つめてみましょう。そのままでいいのです。でもたまには自分のことを褒めてあげてくださいね。

高1生・高2生

長い文章を読むと、頭がぼうっとして、うとうと……というあなたへ。受験まで時間はありますから、教科書の文章でもいいので、長い文章を読む練習をしておきましょう。それでもやっぱり読める気がしない、というあなたは、もしかすると完璧に文章全体を理解しようとしているのかもしれません。現代文は、意味内容を読み込もうとする「読者」ではなく、文構造を見極める「分析者」としての態度が必要です。「この文との関係性はどうなっているんだ?」「なぜここで段落が変わっているんだ?」など、普段着目している部分とは別の要素に注意して読んでみましょう。難しい内容を無理に目で追うのではなく、四角で囲ったり、矢印で関係性を示してみたり、図を書いてみたり、一歩引いた視点から、まるで名探偵のように謎解きをしてみるのです。少しだけ、読むのが楽しくなるかもしれませんよ。

考えることで人生の歩みを確かにする

本屋に行けば、時間管理のノウハウ本がたくさん売られています。それだけ、人間は時間の使い方が苦手ということ。そういう私も時間管理がへたっぴです。時間管理は難しいのです。だからこそ、自分に無理をさせないスケジュール管理が必要です。大切なのは、自分が何をしたいのかはっきりさせて、それに向けて何を準備すればいいのか、落ち着いて「考えてみる」時間です。そして、立てたプランどおりじゃなくても構わないので、確かに進めることです。

あなたは何をしたいと思っていますか。何について考えることが好きですか。まずは、自分について考えてみることが大切です。答えは出なくても構いません。たいてい、高校のときに立てていた目標は、大学生や大人になれば、いい意味で変わるものです。自分がどんな人なのか、なぜ学ぼうと思っているのか、じっくり考えてみてください。人生は長く、答えは出ませんが、そうやって悩み、もやもやした時間が自分の生にあったことが、今後のあなたの歩みを確かなものにするはずです。