共通テストニュース 新課程入試について

化学 樹葉瑛士先生の学習アドバイス

化学

樹葉瑛士先生

樹葉瑛士先生

東大をはじめとする難関大志望の生徒から、化学が「ワカル」「デキル」ようになると好評。自らの生徒をノーベル賞受賞者にすることを夢に掲げ、基礎の徹底理解から、さらに化学の深部に潜り込む、目から鱗の講義を展開する。原子という極微小な粒子で構成された物質を扱う学問だからこそ、それらが織り成す世界を理解し実感させることを追求し、化学の本質に鋭く迫る。

高3生 のキミへの学習アドバイス

化学の入試で、受験生に要求される知識や能力は決まっています。これまで学習した内容を本当に理解してアウトプットできる状態であれば、確実に高得点が取れるようになっているはずです。

直前期の学習で最も重要なのは『これまでの学習内容の定着度・完成度を上げる』ということです。逆に、ただ過去問を解くこと自体は実力(=化学の理解度)を上げることにそれほど効果がありません。つまり、「過去問を解く→間違ったところを解説で確認する」という作業を繰り返しても、点数の大きな向上は見込めないということです。すべては、『学習内容の定着度・完成度を上げる』ことにつなげなければいけません。

過去問演習の場合、「過去問を解く→定着していない単元を発見する→教材に戻って、その単元を復習する→間違えた問題を解き直して、理解していることを確認する」という手順をやり切れば、化学は大きな武器になります。

大学受験を意味のある通過点に

何事もそうですが、初めての経験というのはプレッシャーがかかるものです。不安を和らげてくれるのは、これまで苦楽を共にしてきた教材です。時間があればこれまで使ってきた教材を気負わずにパラパラとめくってください。教材をさらっと読んだだけで、その単元について流れが頭に浮かんでくるのではないでしょうか。心を落ち着けて本番でしっかりと実力を発揮してください。

大学受験は、長い人生の中でほんの通過点にすぎません。むしろ大学入学以降が人生の本番になるのだと思います。この大学受験が皆さんにとって意味のある通過点になることを祈っています。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

化学の受験勉強というと、多くの人が授業や問題集などで入試問題を解いていくようなイメージを持つのではないでしょうか。1学期からスムーズに入試問題に入れるようにするために、『基礎固め』を行いましょう。ほとんどの入試問題は、基本問題の複合に過ぎません。これまでに習った内容がしっかり理解定着していれば、入試問題をあらかた解くことができます。逆に、基礎の定着ができていない状態で問題集に取り組んでも、入試問題にほとんど手がつかないと思いますし、解説を読んでも正しく理解できません。新年度を迎える前に復習しておきましょう。

学問の根底にあるのは「探究心」

模試を受ける効用は大きく二つ。一つが、試験慣れをすること。もう一つが、理解度・定着度の確認です。模試の結果がよかった場合は、大いに喜んでその調子で学習を続けてください。肝心なのは、模試の結果が悪かった場合です。そこには、皆さんの弱点が明確に表れているので、しっかり分析して弱点を克服するようにしてください。

化学に限らず学問の根底にあるのは『探求心』です。化学の学習を単なる大学受験突破の手段とするのではなく、身の回りのさまざまな物質や現象に興味関心を持って臨む姿勢が、皆さんの人生においても大きな意義を持つと思います。