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小論文 石関直子先生の学習アドバイス

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小論文

石関直子先生

石関直子先生

受験小論文界の良心遂に登場! 一生ものの文章力を一から丁寧に教えます。「私は華道家としての一面も持っていますが、医療従事者への道も華道同様一種の「修行」。時に自己と向き合いながら、時に周囲の助けを受けながら、合格への道のりを歩んでいきましょう。栄冠への3点セットは『夢・努力・目標』です。今日の努力が明日の笑顔! 夢に向かって一緒に頑張りましょう!

高3生 のキミへの学習アドバイス

小論文とは「握り寿司」のようなものだと考えます。つまり、「シャリ」と「ネタ」と「形」を、客のオーダーに合わせて提供できれば合格できるのです。

まず、「シャリ」とは、ネタを載せる土台となる文章力。正確な日本語で根拠を明確にして書けているか。次に「ネタ」。新鮮な情報や知識を使っているか。そして「形」。これは文章の形式と言うよりは「書き手の個性」と言っても良いでしょう。この三つを客(=大学)の注文に沿って完成させます。夏を迎える前に、客(=大学)の好みやオーダーの傾向を確認しておきましょう。過去問演習講座などを通して、出題傾向や出題パターンについて把握することが大切です。

時事問題を志望分野に関連づけて考える

夏休み前の5~6月には、土台となる「シャリ」作りが身についているかを最終確認します。「なんとなくそんな気がするから」ではなく、「なぜそう考えるのか」「そう言える根拠は何か」を明確にして、正確な日本語で書く力を身につけておきましょう。

次に「ネタ」集め。ネタは鮮度が命。来年の入試で予想される三大テーマはやはり
1「新型コロナウイルス感染症」
2「ウクライナ情勢」
3「成人年齢が18歳に」

1と2は政治、経済、国際関係、文化、医療、教育とさまざまな角度からのアプローチが可能なので、自分の志望する分野と関連づけて情報収集に努め、考えをまとめておきましょう。ただ「phase(フェーズ、局面)」が異なるので注意。コロナはもう三年目なので、ワクチン接種も進み、治療法も確立されつつあります。つまり「ウィズコロナ」「ポストコロナ」の局面へと向かっています。一方、「ウクライナ情勢」はどういう形で終結を迎えるか不透明です。従って、小論文で出題されるとしても、「戦争犯罪の卑劣さ」「戦争終結に向けての国際協力」「戦争の犠牲になるのはいつでも一般市民である」といった方向になるのではないかと予想します。

3の「成人年齢が18歳に」については、その目的、変わること、変わらないこと、メリット、デメリット、そして「成人としての抱負や理想像」を書けるようにしておきましょう。当事者意識を持って。

そして、客(=大学)のオーダーに合った形で提供できるように、実戦力をつけておきましょう。志望校の「過去問演習講座」に取り組み、出題形式を知ることです。皆さんの極上の「一貫」が完成するように、私も一生懸命授業に取り組むことで、応援していきます。

「ウイルス」と「戦」と言う二つの「禍」の中で迎える夏がやってきます。「今の自分に何ができるのだろう」と思いを巡らすことは、確かに大切です。でも今は、世界のリーダーたちがどういう立場と姿勢で臨んでいるのかを、見つめるところから始めましょうか。それが5年後、10年後の皆さんを、大きく飛躍させる参考になると思います。そして何よりも心と体の健康に気をつけて「ご安全に」。

高2・1生 のキミへの学習アドバイス

今から始めたい小論文対策は「4技能の修得」です。「え? 小論文なんだから、文章を読んで書ければいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。ところが総合型選抜、学校推薦型選抜が大学入試に占める割合が高くなってきた昨今、小論文で合格するために求められるのは、「読んで書いて聞いて話す力」なのです。

具体的には、「本学の創立者の著書を読み、本学入学後どのような学生生活を送りたいかを書きなさい」と言う出題に対しては、「読む力と書く力」が求められます。また最近増えてきているのは、「大学の模擬講義をオンラインで見て聞いて、そこで学んだことや問題意識、問題に対する対応策をスピーチし、収録したものを提出しなさい」と言う形式。ここでは「聞く力と話す力」が求められます。これからはこういう「4技能小論文」は増えていくと私は考えます。

多くの経験を積み視野を広げていこう

具体的に考えてほしいことは次の三点です。
○自分はこの大学で何をどう学びたいのか
○自分のどこがこの専攻に向いているのか
○大学で学んだことを活かして5年後、10年後、20年後、どのような自分になっていたいのか、さらにどのような形で社会貢献をしたいのか

志望分野に関する本を読み、意見を書き、できれば同じ専攻を志す友人と語り合い、他者の意見に耳を傾けるトレーニングをしてみましょう。

学問は社会の動きと密接なつながりがあります。歴史から、先人から大いに学びましょう。

未来を見つめ、自分を見つめ、経験を積み、視野を広げてほしいと思います。マスクの下でも笑顔と誠意を忘れずに。