世界史B
全体概観

出題形式に変化なし。文化史・テーマ史の出題が目立った。 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問構成は、例年通り4問で、設問数は2005〜2010年度に引き続いて、各9問。7年連続でこの設問形式である。ただし、リード文に史料を含むものが登場するなど、リード文の分量が全体的に増加した。地図問題は位置と王朝名の組み合わせの1問のみであった。2文の正誤を組み合わせる問題が、昨年より1問多い6問に増えた。近年出題のなかった6択の年代配列問題が3問出題された。出来事の時期を把握していないと正解にたどり着けない問題が多く、その対策がどのくらい出来たかにもよるが、全体としての難易度は昨年並みと見られる。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2011

第1問

世界史上のメディアについて

9

9

25

第2問

世界史上の宗教について

9

9

25

第3問

世界史上の暦について

9

9

25

第4問

歴史上の異文化接触について

9

9

25

2010

第1問

世界史上の都市

9

9

25

第2問

世界史上の貨幣

9

9

25

第3問

海運について

9

9

25

第4問

民衆の不満や抵抗について

9

9

25

2009

第1問

生業と労働の歴史

9

9

25

第2問

世界史における学校・教育

9

9

25

第3問

信仰や宗教について

9

9

25

第4問

移動と移住について

9

9

25

2008

第1問

ユーラシア大陸

9

9

25

第2問

島や群島について

9

9

25

第3問

歴史上の敗者や英雄の末路

9

9

25

第4問

衣服に関わる歴史

9

9

25


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
59.62点 62.7点 58.98点 67.75点 66.25点 63.16点 61.47点 56.53点 59.88点 61.67点
2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991
64.62点 64.13点 65.50点 68.35点 64.62点 63.52点 63.76点 65.71点 71.37点 72.45点

設問別分析
第1問 世界史上のメディアについて
ローマ時代のエジプト人の手紙、近世イギリスの史料、近代フランスによる政治宣伝を題材にして、関連する歴史的出来事についての知識を問う問題。政治・経済のみならず、文化・技術に関する設問もバランスよく出題されている。近年見られなかった6択の年代配列問題が2問出題された。リード文中に引用された史料を丁寧に読んでしまった受験生は、その後の時間配分に苦慮したのではないか。

第2問 世界史上の宗教について
「新大陸」におけるキリスト教の布教、進化論の反響、中国史上の諸宗教などを題材にして、宗教と政治・社会とのかかわりを中心に問う問題。同時代の出来事の判定や、出来事の前後関係の正誤を判定させるものなど、時代を意識した設問が目立った。

第3問 世界史上の暦について
西アジア・北アフリカ、革命期のフランス、20世紀後半の中国における暦にかかわる出来事を題材としながら、関連する歴史的出来事を問う問題。リード文・設問とも、時代・地域の観点からバランスの取れた出題である。

第4問 歴史上の異文化接触について
トルコ系遊牧民、中世のイベリア半島、15〜16世紀の南アジアにおける異文化接触を取り上げ、関連する歴史的出来事を問う問題。本年唯一の地図問題は、平易なものであった。北米自由貿易協定の加盟国やヴィジャヤナガル王国の成立時期は、やや高度な知識に属する。

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