《現代社会》 新高2生へのアドバイス
センター試験の現代社会は、よく一般常識で対応できるという間違った印象を持たれているケースがあります。しかし本年の傾向をみると、第3問、第6問のようなオーソドックスな出題が増加し、時事的知識や常識だけではどうにもならない、政治経済分野を中心としたテキストに基づく着実な学習成果が試されるものとなっていて、制度の内容や確立の背景・流れを問う問題が出題されています。その傾向は今後も続くものと考えられます。
つまり、今後2年で、この傾向に対応するための学力を目指して少しずつ理解と知識を蓄積することで、本番で試験に対応することが容易となるのです。そのためにも、「教科書やテキストの学習」「センター試験過去問を解く」「時事への対応」の3本柱が必要となってきます。これは直前の付け焼刃で3つ同時にこなすことは困難ですが、今から2年かけて習慣として確立することで、現代社会が得意科目になるのみならず、幅広い常識を養い、自己推薦、AO入試を含めた小論文をはじめとする他の科目に通用する学力を育成することができます。
◆教科書やテキストの学習
現代社会に限らず、公民科目で最も危険な状態なのは、時事I事項の名称だけをなんとなくニュースで見聞きして「知っている」気分になり、その背景や理論、歴史を知らないために選択肢で「知っている」単語に惑わされて正解にたどりつけない、という状態で本番を迎えてしまうことです。たとえば、衆議院と参議院という単語だけ知っていてもセンター試験では役に立たず、その機能・歴史・制度を理解していてはじめて試験に対応できるのです。「知っている」つもりになっている単語に関して、この理解を深めていくには、まず教科書・テキストにあたる努力を日々15分でも怠らないようにしましょう。これにより試験本番までに学習を仕上げる体力が身に付きます。現代社会の勝負は政経分野の基本的理解にあると考えると、早いうちに『名人の授業 新政治攻略』『名人の授業 新経済攻略』(東進ブックス)などで制度・しくみ・理論をしっかり押さえておくことが有効です。その上で、『現社ハンドブック』(東進ブックス)を一読できると良いでしょう。
◆過去問を解く
センター試験の現代社会では、知識がなくても対応できる統計問題などが出題されます。しかしその分、現場で戸惑わないように特殊な設問形式への対応を短時間で行う必要があります。過事竄ナセンターのレベルや形式に慣れましょう。一定の自信が出たところで2年生の段階から模試を受けることで、弱点を知ることもできます。
◆時事問題への対応
時事的事項に日々接することで学習が進みます。知らないことが出たら、教科書や資料集にすぐあたる姿勢で臨みましょう。興味本位でも良いので、『現代社会の最新時事(2012〜13年版)』、『現代社会資料集』などにも触れておき、今、このような問題が起こっているという事実を知るだけでも幅広い学力が養成できます。なお国際分野は特に手が回らないケースがあるので、地図で確認するなどの工夫もして、特に意識して学習しましょう。