出題形式は大問6題で小問36問であり、過去5年と同様であった。昨年と同様第1問と第3問の小問が8問、その他が5問という形式になった。統計を読み取る形式の設問が2問出題されたが、昨年同様に予備知識を必要とせずグラフの読解で解答できるものだった。統計に関しては両問とも2つのグラフを見比べて選択肢を吟味すれば正解にたどりつける内容であり、格別の知識は要求されていない。時間をとってあわてずに解けば解答に至ることができる。
出題内容としてはHIVや新型インフルエンザウィルスなどの国際的課題、待機児童や児童虐待などの現代の子どもをめぐる問題、臓器移植、知的財産権、裁判員裁判などの時事的要素が出題されているが、ほぼすべての出題が理論的事項の知識や理解に基づかないと解答できない出題方式であったため、理論的事項の学習をしっかりしたうえでの時事事項理解が要求されるものとなっている。また青年期に関する出題はあったが倫理的要素は例年に比べても多くない。全体的に常識レベルで判断できる設問が前年に引き続きほぼなくなったため、主として政治経済分野での着実な学習が要求される出題となった。
2011年と比較して平均点が大幅に下がっているが、これは上位生が新設科目の「倫理、政治・経済」や「地理B」を選択するようになった影響が大きく、問題そのもののレベルはそれほど変わっていない。