【難易度】
倫理分野は昨年並み、政治・経済分野は昨年並み。
※本年度初実施のため、前年度との比較はできませんが、昨年度の「倫理」、「政治・経済」の難易度と比較しました。
【全体概観】
出題形式としては、倫理分野、政治・経済分野から大問が各3問ずつ計6問、小設問はすべて「倫理」「政治・経済」単独科目と共通であった。倫理分野と政治・経済分野との融合問題の出題はなかった。
倫理分野の大問のうち2問は「倫理」単独科目とリード文が共通、1問はリード文のない小問集合形式だった。小問集合形式は政治・経済分野の出題との不整合が否めないが、本文の趣旨読み取り問題がない分、受験生の負担は減少している。
政治・経済分野の大問のうち2問が「政治・経済」単独科目とまったく共通で、配点のみが異なる。1問は「倫理、政治・経済」オリジナルのリード文を使った上で小設問はすべて「政治・経済」単独科目の流用であった。
「倫理」と「政治・経済」の全分野から網羅されるように設問が選択されており、とくにやさしい設問が選ばれたという形跡はない。倫理分野では第2問問1の臓器移植法(1997年制定、2009年改正)、第2問問5のロックの所有権についての考え方、第2問問6の環境倫理など、政治・経済との接点に近い設問が選ばれている。政治・経済分野でも第6問問2で社会契約説が出題されている。いずれにしても、倫理分野、政治・経済分野ともに十分な準備をしておかないと高得点はねらえない出題であった。